第63回 関東地区高等学校PTA連合会大会 神奈川大会

平成29年7月7日(金)8日(土)
関東地区高等学校PTA連合会 神奈川県立高等学校PTA連合会

第2分科会 「進路指導とPTA」

1部 2部
発表者
栃木県
所属校
栃木県立今市高等学校
役 職
前PTA 会長
氏 名
高橋 恭子(タカハシ ヤスコ)
発表テーマ
「保護者の支援する進路指導、保護者も学ぶ進路指導」

中林:皆さま、おはようございます。朝早くから分科会に足をお運びいただきましてありがとうございます。また、昨日に続きまして連日ご参加の皆さま、本当にありがとうございます。

 私は本日第2分科会の司会を担当いたします、神奈川県立鎌倉高校PTA会長の中林奈美子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)ありがとうございます。少々緊張しております。

 はじめに開会のあいさつを関東神奈川大会実行委員の有村真由美より申し上げます。

有村:皆さま、おはようございます。開会のあいさつの前にちょっと紹介だけさせてください。この第2分科会スタッフ一同、湘南鎌倉地区15校の会長のメンバーで構成しております。私は神奈川県立茅ケ崎西浜高等学校のPTA会長をしておりました、有村真由美と申します。よろしくお願いいたします。私のスタッフ手を挙げて。湘南爆笑部というチーム名でずっと活動をしておりました、湘南鎌倉地区でございます。今日は短い時間ですけれども楽しんで帰ってくだされば。

皆さまのいい思い出となるように心がけております。どうぞよろしくお願いいたします。

 改めまして、ようこそ神奈川へおいでくださいました。ただ今より第63回関東地区高等学校PTA連合会神奈川大会、第2分科会を開会いたします。(拍手)

 まず前半の議長、発表者、助言者の方々をご紹介申し上げます。議長は栃木県立今市高等学校長、前橋均さま。

前橋:どうぞよろしくお願いいたします。

中林:提案者は、同じく今市高等学校、昨年度PTA会長、髙橋恭子さま。

髙橋:よろしくお願いいたします。

中林:パソコン操作は、同じく今市高等学校、今年度PTA会長、カワグチトシナリさま。

カワグチ:よろしくお願いします。

中林:助言者は神奈川県立大船高等学校長、鈴木隆広さま。

鈴木:よろしくお願いいたします。

中林:以上の皆さまです。それでは早速前半の発表に入ります。議長の前橋さま、この後の進行をよろしくお願いいたします。

前橋:はい。それでは皆さん、改めましておはようございます。着座のまま失礼させていただきます。前半の議長を務めさせていただきます、栃木県立今市高等学校校長の前橋と申します。よろしくお願いいたします。

 それではこれより議事を進行させていただきます。まず本日は「進路指導とPTA」を協議題として「保護者の支援する進路指導、保護者も学ぶ進路指導」というテーマで、本校今市高校の前PTA会長の髙橋さんから提案、発表をしていただきます。

 それではまず私から今市高校の概要と特色について、先にお話しをさせていただきます。

 本校は栃木県の北西部、世界遺産の日光東照宮のある日光市に位置する総合学科の高校です。JR今市駅から3分。歩いてたったの300歩です。県内で駅から一番近い学校、そんなアクセスの良さから、地元の生徒の他、各地から電車通学の生徒が集まってきます。校庭からは日光連山が眺められ、四季折々の山の景色は大変素晴らしく、美しい自然環境の中で生徒たちは明るく元気に学校生活を送っています。

 本校の沿革ですけれども、大正14年旧制今市中学校ですね、男子校ですけれども、旧制今市中学校を源流としまして、今市高等女学校と統合いたしまして、昭和26年に男女共学の今市高等学校が誕生いたしました。

その後、普通科、家政科、商業科の3科体制が長く続きましたが、平成9年に現在の総合学科に転科いたしました。一昨年に創立90周年を迎え、今93年目となる伝統校です。

 こちらが校章ですが、三方に伸びる日光杉並木の杉をかたどっており、また、今市が3つの街道、日光街道、例幣使街道、会津西街道、その合流点に位置することも表しています。

 現在、各年次5クラス、全校生徒約600人です。

 生活目標は「達成力」。この言葉には、より高い目標に向かって最後までやりぬき、達成する力を身に付けてほしいという願いをこめています。その達成力を目標に、「もう一歩がんばる生徒になろう」を合言葉に勉強、読書に加え、プラスワンの部活動などを通して、心身ともに鍛え、総合的な人間力を身に付けることを目指して、日々充実した学校生活を送っています。

 さて、本校の特色である総合学科について少し説明をします。総合学科は、普通科、職業専門学科に次ぐ「第3の学科」として誕生いたしました。今市高校は県内6校のうち2番目にできた総合学科の高校で、今年21年目となります。本校では100を超えるたくさんの科目を設定し、生徒たちは自分の進路希望にあわせて必要な科目、関心のある科目を選択できます。つまり進学から就職まで各自の進路希望に応じて、自分で時間割をカスタマイズできる。そういうところが総合学科の大きな特徴です。また、選択授業の講座が5人以上で成立しますので、必然的に多くの授業が少人数の授業となります。このため先生の目が行き届いて丁寧な指導が受けられるというのも総合学科の大きなメリットです。

 特徴のある科目をいくつかご紹介します。これは1年生の原則履修科目の「産業社会と人間」という授業で、これは総合学科独特の科目です。県内外の大学を見学したり、希望進路別の講和、進路研究などを通して、1年生の段階で各自のライフプランを作り、進路をしっかり考えます。年度末には自分の作ったライフプランをパワーポイントでプレゼンテーションするところまでいきます。

 これは「生活と福祉」の授業です。介護の際、ベッドメーキング、紙おむつの当て方、そういったものを勉強しているところですが、これは主に看護医療系や社会福祉系への進学希望者が選択しておりまして、看護の実際や社会福祉のあり方について学んでいます。本校では医療系進学希望者が多くて、他にも「医療生物」などという医療系向けの科目などもいくつか設定しています。

 これは「ビジネス情報」パソコン室で情報の検定試験を練習しているところです。本校は資格取得試験にも指導を力を入れておりまして、就職に役立てたり、商業系の学部に進学を目指す生徒などもいます。

 これは2年生の選択科目の化学の授業ですが、授業内容は普通科と同じです。でも少人数で授業を受けていますので、全員が1つずつ実験ができる。そういうメリットがあります。多くの授業がこのような少人数で実施して、目の届いた丁寧な授業ができるので、授業内容が大変よく理解でき、十分に学力が養えます。

 次に学校行事について紹介をいたします。選択科目が多く、授業がバラバラになることが多い中、クラスのまとまりを大切にするために行事には力を入れています。体育大会は前期、後期の2回あります。男女で種目を入れ替えて実施します。生徒たちはおそろいのクラスTシャツを作って元気いっぱいです。

 こちらは本校独自の学校行事である「二宮堀クリーン作戦」です。学校の周囲を流れる二宮堀の川底のごみをさらう清掃ボランティア活動で、今年で8回目になります。この堀には川の水を引いていますので、ヤマメとかイワナとか、魚が混じって泳いでおりまして、魚を追うのも楽しみの1つになっています。

 この二宮堀の由来ですが、二宮尊徳が田畑の灌漑のために掘削し、大谷川の水を引き入れたもので、今市高校がある日光千本木地区の開発は、二宮尊徳が直接手掛けた事業の中では最後の開発事業です。二宮堀の清掃には二宮尊徳の精神が今も本校に流れていることを実感することができる行事となっています。

 これは創立90周年を記念して、生徒の応募作品の中から作った本校のイメージキャラクターに決まった「そんとくん」です。二宮尊徳をモデルにしてるので「そんとくん」。「せんとくん」ではありません。「せんとくん」と違ってかわいいですね。

 さて、2学期最初の文化祭「今高祭」には1,000人以上の方が訪れて、大変盛大に行われます。PTAの皆さまもバザーでご協力をしてくださいます。

 本校では勉強、読書に加えてプラスワンとなる部活動や生徒会活動、福祉活動などを奨励しています。部活動には9割近い生徒が加入しています。中でもフィールドホッケー部は活躍目覚ましく、最近では男子は国体で全国優勝。女子は全国選抜で準優勝。全国の強豪として注目されています。卒業生の中からは、北京、アテネ、ロンドン、リオと4大会連続でオリンピック選手を出しております。これもわが校の誇りです。今年3月にはロンドン、リオと2大会連続で出場した柴田あかね選手、こちらはさくらジャパンの副キャプテンを務めていた選手なんですが、オリンピック出場報告会を本校でしていただきました。

 さていよいよ進路の話をしましょう。本校では各自の第一目標の実現を目指して、きめ細やかな指導を展開しています。平常課外や休日の開放講座を実施したり、保護者の皆さまとも手を携えながら、生徒一人一人の将来を考えさせています。

 進路状況はおおよそ4年制大学が3割~4割。短大が1割強。専門学校が4割~5割。就職が1割という程度です。平成28年度の主な進学先としては宇都宮大学などの国公立大学の他、医療系の大学、専門学校なども多くなっています。就職でも警察や消防などの公務員になった者、それから商業検定で取った資格を生かして企業に就職する者もいます。本校ではより体系的な進路指導によって、一人一人の生徒の進路目標をかなえていきたいと考えています。そのためPTAの皆さまの進路指導へのご支援は非常にありがたいというふうに思っております。

 それでは髙橋前PTA会長に引き継ぎまして、PTAとしての支援の具体的な内容について提案、発表をしていただきます。ではよろしくお願いいたします。

髙橋:はい。皆さまこんにちは。今市高等学校前PTA会長、そして歌って踊る宴会部長の髙橋恭子と申します。昨日山梨のPTA会長さんがおっしゃったのを守って、昨日たっぷり懇親会をしてきましたので、ちょっと声がふだんと違うところはお許しください。それでは話を進めていきます。

 最初に今市高校PTA活動について簡単にご紹介いたします。今市高校PTAは現在10の支部があり、支部活動を基盤として、さまざまな活動を展開しています。その他に年次部会、専門部会があります。専門部は総務、社会、文化、厚生、広報の5つに分かれています。PTA行事を紹介します。厚生部が主催し支部行事として行うのが、支部対抗ソフトバレーボール大会です。地域の高校対抗のソフトバレーボール大会への出場をかけた校内予選会でもあるので、支部ごとに夜遅くまで練習に励むなど、和気あいあいとした中にも、本気の取り組みが見られます。

 そのかいあって、昨年、一昨年とも、地区準優勝という成績を収めています。勝っても負けても支部会員相互の親睦を深めることができる絶好の機会となっております。

 今市高校の文化祭、今高祭の一般公開では、総務部が主催し、会員の協力を得てバザーを行っています。バザーの収益金は長距離歩大会の時に生徒に提供する豚汁の材料費に充てています。その長距離歩大会ですが、これは生徒が約23キロの道のりを1日をかけて歩くというもので、PTAとしては生徒の安全確保のために立哨指導のお手伝いもしています。3年前からは豚汁の提供も始めました。子どもたちも、「豚汁が待っていると思うと元気が出る」と言って喜んでくれています。またこの豚汁作りは、上級学年の保護者から進路についてのアドバイスを聞くことができるなど、保護者同志の情報交換の場にもなっています。

 ところで、先ほども校長先生から紹介がありましたが、今市高校は総合学科なので、普通科にはない「産業社会と人間」という科目があります。この科目を中心として、PTAでは進路指導の支援も行っています。同時に私たち保護者が高校生の進路指導について学ぶ機会も得ています。これら今市高校の「保護者の支援する進路指導」「保護者も学ぶ進路指導」についてこれからご紹介します。

 まず、進路指導に関われる人をどう探すかについてお話しいたします。今高PTA広報部では、広報のために年に2回紙ベースの「PTAだより」を発行しています。今市高校としても先生方が同じく紙ベースで「今高回覧板」や「Dreams come true」という素敵な名前の進路だよりなどを発行してくださいます。ホームページもほぼ毎日更新されていて、学校の様子がよく分かります。こういう広報媒体やアンケート調査を使って、協力してくださる方を募ります。申し出をいただいた方の中から「保護者の支援する進路指導活動」の担当者を選びます。

 まず活動報告の1つ目として進路講話を紹介します。先ほども述べました「産業社会と人間」、略して「産社」の時間の進路講話です。昨年度の進路講話の講師を務めたのは、ケアマネージャー、社会福祉士として第一線で活躍しているお母さんでした。ご自分の経験に基づいて仕事の大変さや魅力、高校生へのアドバイスなどを、ゲームを交えながら分かりやすく話してくださいました。生徒たちも身近なお母さんが講師なので、親近感を持って話を聞けたようです。生徒の学習記録の中からの感想を紹介します。1年女子Aさん。「仕事にやりがいを持っているのだなと思った。私もやりがいが持てるような仕事につけるように頑張りたいと思った。仕事は大変だけど楽しみがあることを改めて実感した」。続いて1年男子Sくん。「現役社会人の話を聞くことができて本当によかったと思う。仕事の楽しさにはお金に代えられないものがあるということは、全ての仕事に共通すると思う」。その他にも看護師、農業法人経営者、測量設計士、土木建築会社取締役など、さまざまな職業の保護者の方に講演をお願いしてきました。それぞれの職業の特徴を知ることができたことはもちろんですが、日ごろ親子では照れもあり、向かい合って職業について大真面目に話すという機会は少ないと思います。そんな中で親が講師となって子どもが聞く機会を持てたことは、親子双方にとって貴重な機会となりました。 

 活動報告の2つ目です。私たち保護者は話をするばかりではなく、書くことでも進路指導を支援しています。先ほど述べた進路だより「Dreams come true」にはさまざまな進路情報や生徒への励ましの言葉などが掲載されています。

ここに社会人としての保護者も文章を載せています。平成28年度にはケアマネージャーや医療事務に携わっている方が記事を寄せてくださいました。いずれも資格の必要な仕事であり、生徒たちへのアドバイスにも、何か資格を身に付けるとよい、とありました。また、自分のやりたいことを見つけるために、いろいろなことに挑戦し経験し、その中で人と出会ったりしながら将来の仕事を見つけてください、と生徒たちに励ましの言葉もいただきました。今後もさまざまな仕事を紹介していく予定です。積極的な姿勢で進路指導に関わってくださる会員の皆さんに本当に感謝しています。

 活動報告3つ目は職業調べでの「保護者インタビュー」です。「産社」では、生徒の進路に関する調査研究発表も大事な学習内容です。これは各自が職業人へのインタビューをしてまとめたものをパネルに掲示します。自分の親にインタビューして、職業理解を深める内容もありますし、また、自分の親ではなく、保護者による進路講話の内容に学んだ例もあります。例えば、看護師についてのレポートには、看護師さんをしているお母さんが進路講話で話された「看護科では30教科もあり、実習が多い」「たくさんの人と関わるのでコミュニケーションが大切」「患者さんだけでなく、その家族とも対応する」「ありがとうと言われることがやりがい」などの言葉が並びました。今市高校では看護師や作業療法士、消防士などの希望者が多いのですが、その生徒たちにも保護者として生徒の進路選択の役に立てたかなと思うと嬉しくなりました。また、「今、いろいろな人と関わったり話をしたりすることでコミュニケーション力が付けられるのではないかと思います」という生徒の感想を見ると、保護者の進路講話は、高校生活そのものへのアドバイスにもなっているのではないかと感じました。

 活動報告4つ目ですが、平成26年度からは新たに「PTS懇談会」を始めました。これはP(保護者)、T(先生)、S(生徒)の三者が集い、心を開いて話せる場を設けることでお互いの理解を深め、生徒がより充実した学校生活、家庭生活を送れることを願って始められました。テーマは「部活動と勉強の両立」「SNSの利用について」「夢を語ろう」「大人の自覚と責任について」などさまざまですが、互いの立場を尊重しながら自分の意見も気軽に言える、そんな雰囲気の中で毎回で話が盛り上がります。保護者の豊かな経験に基づいた話は、子どもたちへの自然なかたちで進路支援になっていると言えます。

 次に「保護者も学ぶ進路指導」についてお話しします。今市高校では各学年ごとに「年次部会」を開催します。1、2年次部会では全体で、また、3年次部会では、大学、短大、専門学校、就職と、自分の子どもの進路希望別に講話を聞きます。進学も就職も親自身が高校生だったころとは様変わりしていますので、わが子の進路希望に沿った話が聞けることは大変有意義です。質疑応答が続く分科会もありました。

 活動報告6つ目です。PTA行事として県外研修をしている学校は多いと思います。今市高校でも秋に実施し、大学見学を必ずしています。平成27年度は、千葉県の幕張にある神田外語大学を見学しました。外国語しか使ってはいけないエリアが設定されているなど、外語大学ならではの施設をたくさん見学でき、大変充実した研修となりました。平成28年度は立教大学池袋キャンパスを見学しました。

歴史の重みを感じさせる蔦の絡まる校舎と、それとは対照的な近代的な設備とか見事に融合した施設に感動しました。この県外研修は、受験生の親として個人的にはなかなか体験できないことを体験できる良い機会となっています。まさに保護者にとっての学びの一日になりました。

 7つ目です。最初にPTA支部活動の話をしましたが、今市高校では、各支部の地元の中学校や公民館を借りて支部懇談会を開催しています。その中でも進路について学ぶ機会があります。これは今市支部の支部懇談会です。夜の7時開始、地元開催ということで、参加しやすい設定です。この中で必ず進路部の先生からの、進学、就職についての現状や、今市高校の課題などを話していただきます。今年は、約30年前の保護者の時代と現在との違いとして、大学進学率が20%アップしたこと、一方で大学を出ただけではその後の生き方につながらないこと、などの話がありました。間近で進路部の先生の話を聞けて大変参考になります。また、支部によっては進路指導を専門に扱う業者の方を講師として、進路の考え方を聞いたり、最新の進路情報を得たりしています。

 余談になりますが、支部活動としては進路ばかりではなく、ランチ会や懇親会、ケーキ作りなど、親睦を深める楽しい催しを行っている支部もあります。わが子の進学、就職への不安や焦りを打ち明けあったり、気軽に情報交換ができる貴重な機会ともなっています。

高校生が進路を考えるということは、生き方を考えるということだと思います。親として支援できることには限界もありますが、生き方に戸惑い、悩む子どもたちに「一人じゃないよ」「見守っているよ」という姿勢を伝えたい。そのためにもPTAとしての進路指導への協力と学びを続けられたらいいなと思いながら、活動を続けております。

 ご清聴ありがとうございました。

前橋:はい。ありがとうございました。それではただ今の今市高校の発表に関しましてご質問を受け付けたいと思います。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。その際に学校名とお名前をよろしくお願いいたします。それでは会場の方でご質問ある方、いらっしゃいましたらどうぞお手をお挙げください。

 じゃあそちらの前の方、お願いします。

ムラタ:神奈川県相模田名高等学校のムラタと申します。今お伺いいたしましたお話の中で、「保護者も学ぶ進路指導」で、各地区中学校や公民館での支部懇談会を行われているということですが、その懇談会には、もちろん高校に通わせているお子さんの保護者が参加されると思うのですが、例えばその地区の中学校の保護者さんですとか、あと卒業生でもう就職されている方など、そういった方のお話を聞く機会なども設けられているのでしょうか。お願いいたします。

髙橋:はい。ご質問ありがとうございます。今お話しを伺って、ああ、そういう方もお呼びしたらもっといろんな情報交換ができるな、と思いましたので、ちょっと取り入れたいと思います。今は現高校生をお持ちの保護者だけだったので。いい案をありがとうございます。

ムラタ:ありがとうございました。

前橋:ありがとうございました。じゃあその他に。前の方ですか。じゃあよろしくお願いします。

サトウ:おはようございます。茨城県にあります伊奈高等学校の教員をしておりますサトウです。本日はありがとうございます。先ほどのお話にありました「PTS懇談会」ですが、生徒とそれから保護者の方、親子での組み合わせなんかも実際に起こってくるんでしょうか。どのような方がそこに参加するのか、ちょっと実際の場面を想定してご質問いたします。よろしくお願いします。

髙橋:はい。ご質問ありがとうございます。たまたまですが親子で顔をあわせた会はなかったんですね。たまたまですけどありませんでした。子どもたちはですね、学年で、2年生の中から何人とか、あとは部活を頑張っているお子さんの中から何人とか、そんな感じですかね。あとは保護者のほうはPTAの本部役員の中から何人とか、あとは本部役員じゃなくて普通の役員さんからですかね、役員さんから何人かっていうことで、希望者の方に出ていただいております。

サトウ:ありがとうございます。

髙橋:はい。ありがとうございます。

前橋:補足ですけれども、生徒はだいたいテーマとか時期とかに応じて学年単位で、例えばクラスから1人出してみようとか、先ほど言ったそのテーマによっては部活動から出してみようというようなかたちで、学校では選んでいます。わりとその、1グループでやる場合もありますし、2グループとか3グループ、小さな単位に分けてやって発表しあうということもありますし、いろいろそのテーマとか状況に応じて、バリエーションを付けてやっているというような次第です。

 ありがとうございました。時間の都合上ですね、もう一人どなたかいらっしゃいませんか。じゃあよろしくお願いいたします。じゃあこちらのほうで

伊原:神奈川県立相模原総合高等学校校長伊原でございます。同じ総合学科として非常に今高さんでの取り組み、共感を覚えました。生徒進学実績ですとか、あるいは部活動が18%の入部率というのは驚異的だと思います。1点最後に、進学指導の先生が20%進学率アップって伺ったんですけれども、これはいつといつを比較してなのかということですね。あと校長先生にお伺いしたいんですけれども、栃木県の総合学科、6校あると思うんですが、その充実ぶりと言いますか。要は神奈川県、今年から11校あった総合学科が6校に減ってしまったんですね。6校でまあ頑張っていますけども。栃木県の頑張り具合を聞きたいなと、総合学科の。よろしくお願いします。

前橋:栃木県の6校は今のところ、現在ずっと維持しているということで。ちょうど先日再編計画も出たんですけれども、総合学科は各地方地方にありまして、その地方の選択肢の1つとして残していく、維持していくという方針でやっております。それから先ほどのその20%というのは、恐らくこれ、進路部長が話したのは、学校の話ではなくて、全体の話ですね。30年前から比べて、子どもたち、日本の子どもたちの進学率が大きくアップしましたよ、という話をしたんですけど、本校もアップしてます。やはりそれぞれの目指す子どもたちに対しては、細やかな指導をしていくということは積み上げてやっているところですので、少しずつ成果は出ているところで。各学校、6校とも苦労しながらですね、さまざまなキャリア教育をやって、いろんな選択肢の中の1つとして大学ということを選択した者については、しっかりと補助ができるようなシステムはお互いに情報交換しながら進めているというとこはあります。

伊原:はい。どうもありがとうございます。前橋校長先生、10月13日に神奈川県における総合学科の教育研究大会、本県開催ですのでお待ちしております。

前橋:よろしくお願いいたします。じゃああとお1人かお2人、ご質問大丈夫だということですので。じゃあすみません、奥の方から。じゃあ後ろの方からお願いできますか。

中林:はい。今マイクまいりますので。すみません、ちょっと手を挙げていただけますか、もう一度。はい。ありがとうございます。

横須賀高等学校:神奈川県立横須賀高等学校でございます。いつもお世話になっております。大変有意義な話で感動させていただきました。1つ初歩的な質問なんですけれども、PTAの組織体系として支部のお話が何度も出てきてるんですけれども、神奈川県というか、学区撤廃がありまして、どうやってPTAの組織を、どういう単位で支部、分けていらっしゃるのか。常置委員会、総務部、社会部というのは分かったんですけれども、支部というのが、例えばもうPTAに加入されている方の全員参加を縦割り、例えば地域等で縦割りにしてらっしゃるのか、その活動はどのような特色があるのか、すみません、長いお話になってしまって、教えていただければと思います。

前橋:じゃあ髙橋さんお願いします。

髙橋:はい。ご質問ありがとうございます。支部ですが地域で分けております。支部活動としては、ご報告しましたように、メインとなるのがバレーボール、ソフトバレーボール大会とか、あとは支部懇談会が行事の中心かなと思うんですけども、とにかくそれぞれの支部でやってることはいろいろですが、だいたいどの支部も和気あいあいと楽しそうな活動を行っております。

横須賀高等学校 :すみません、どうもありがとうございました。

前橋:ありがとうございました。じゃあ最後にお一つ、こちらで。

越生高校:埼玉県立の越生高校のPTAの役員の者です。保護者の職業人を招いて生徒たちに話をしていただくと。大変素晴らしい活動だなと思うのですが、保護者の仕事というのもなかなか我々PTAの中でも分かりにくいというような部分があって、まあ交流があれば「こんな仕事してるよ」って、親父たち同士での話にもなったりはしますけども、ごく限定的です。そういう中でですね、学校の中に保護者を呼んで職業について語っていただくという機会を作るにあたって、親の方々にどんなインフォメーションをしていくのか。それからどんなオファーの仕方をしていくのか。そのへんのことを教えてください。

髙橋:はい。ご質問ありがとうございます。そうですね、なかなか親御さんの職業を私どもが把握するというのは難しいんですけども、やっぱりそこは、アンケート調査ですとかなんかで、もちろん職業についてとか、どんなことが話ができますよとか、子どもたちにメッセージ、こんなことがありますよ、っていうのを出していただいた中から、先生方のほうで選んでいただいて、で、お願いをして、そうですね、だいたい1時間の講話をしていただいているというものです。

越生高校:親の方々もそういうインフォメーション、プレゼンス能力がないとなかなかできないのかなと思いましてね、ちょっと参考にさせていただこうと思います。ありがとうございました。

前橋:結構探すと役者の方、いっぱいいらっしゃるので(笑)。探すというのも大事かもしれないですね。はい。ありがとうございました。時間になりましたので、それではこれでですね、前半の発表、研究協議を終わらせていただきます。いろいろとご協力ありがとうございました。(拍手)

中林:栃木県立今市高等学校の皆さま、大変本当にためになる素晴らしい発表をありがとうございました。またたくさんのご質問もいただきましてありがとうございました。

 ここでただ今の発表に対しましてご助言をいただきたいと思います。栃木県立今市高等学校の発表に対して、神奈川県立大船高等学校長、鈴木隆広さま、ご助言をどうぞよろしくお願いいたします。

鈴木:皆さんこんにちは。大船高校校長、鈴木でございます。今市高等学校の皆さま、発表並びに研究協議、お疲れさまでした。ありがとうございました。歌って踊れるということで、声色を使った発表、印象的でした。しかもこの第2分科会、運営が湘南爆笑族。どうも皆さん大変な会場に足を踏み入れてしまったようです。次の画面お願いいたします。助言者もかなりひどいですね。発表校の会長さん使ってパソコンの操作させてしまいまして。

 私はこの3つの視点で今の発表をまとめてみたいなと思うんですけども。ご覧のとおり、コミュニケーションのアップの部分、それから時代の変化を相互に確認してる部分、最後に多様性というところに着目したいなと思います。次の画面お願いいたします。

 1つ目の「コミュニケーションのアップ」というところで、先ほど質問の中にもありましたように「PTS懇談会」。今どき各家族化が進む中で、対面でのコミュニケーションがなかなか機会が少ない、一方でLINE上であるとか、すみませんね、商品名とか言っちゃいますけど、具体のほうがいいかと思いますんで、なかなかコミュニケーションの質が変わっているところにもってきて、こういう対面での機会を増やすということは、非常に重要かなと思っています。もう1つ何か効果があるみたいですけど、それはちょっと後ほど説明するとしてですね、あと「進路講話」。これも、見ず知らずの人から話を聞くよりは保護者の方から話を聞くということは非常に重要かなと思いますし、発表の中にありました、学校行事の中で違う学年の保護者から話を聞くということは、非常にこれ、有効かなと思います。次の画面お願いいたします。

 ベネッセが行いました2004年の「子ども生活実態調査」、この中からですね、会話が多い、あるいは会話が少ない、ということが、どれほどの影響があるかっていう資料なんですけども。会話が多いと勉強する人が多い。ポイント数として15.4%も多いと。こんな結果が出てます。次の画面もお願いします。ベネッセの調査、高校生だけでなくて、小中高、全部ひっくるめてなんですね。で、2009年、先ほどの資料から5年後に行った資料ですけども、3つ棒グラフが小、中、高とございますけど、上から会話が少ない、中くらい、多い、と、非常に大ざっぱな区分けですけれども、見事なぐらい、会話が多いと、何て言うんですかね、そこでの影響が。この学習時間はですね、1時間やったら1時間、じゃないんですね。平日の時間数に関しては、かける5倍、休みの日に関しては、かける2倍した数字らしいんですけども、まあいずれにしても、会話が多くなればなるほど、勉強時間が増えていると。でもハタと思いますよね、会話といってもいろんな種類があるから、「あんたこれやりなさい」と、よくありがちなことばっかり言ってて、ほんとにこういうことが進むのかということなんですけど、まあちょっと時間もあれなんで。ベネッセでもそのへんは見てまして、やはり子どもに対して肯定的な会話ですね、これがなされてると、こういうプラス面の効果があるということで、今市高等学校で行っている対面での会話の結果的に増えていけばいいなと。それから質問の中にもありましたように、親子での参加も今後見込まれれば、またさらに強力な影響があるのかなと思います。次の画面お願いいたします。

 2つ目の視点で、「時代の変化を相互に確認」ということで、やはりですね、普通科の学校から見ますと、非常に強力なのが、この「産業社会と人間」という科目ですね。もう進路に直結する科目が、職業に関する能力などを養う、あるいは社会の変化についても学ぶということなんで、学校の授業の中でも扱う、並びに今の発表でございましたようにその内容を受けて、保護者の側からもできると。

まあ「進路だより」であるとか、「保護者インタビュー」というような話もございましたけども。なんでそうなのかって、また次の画面すみません、今、社会が変化が激しい、並びに非常に余裕がない、ですから人材を育成する余裕がない会社が増えてるんだと思いますね。で、研修所あるいは保養所がどんどんつぶされ、次の画面お願いいたします、こんな状態。これはですね、たまたま私、熱海で撮ってきたんですけども、草が生え放題、次のビルも建たない。社会が元気があると皆さん熱海に行くか、っていうのは、ちょっとそれは疑問があるかと思いますけど、まあ余裕があればですね、こういうとこにもお金を払ってという、まあ1つの指標として、私の勝手な思い込みかもしれませんけども、こんな状態の社会の中でこれから卒業していく生徒が、社会生活を営んでいかなきゃいけないと。ですからできる限り学校の中、卒業するまでに、そういう能力を身に付けなきゃいけないのかなと思うんですけれども、幸いなことに「産業社会と人間」というね、こういう科目があるということは非常に大きなメリットかなと思います。次の画面お願いいたします。

 もう1つ。コマツなんてまた社名も出ちゃって大変恐縮ですけども、シャープが鴻海に、あるいは東芝も今、問題になっていますけど、日本の大きな企業もどんどん変わってるんだと思います。会社の平均寿命って30年とか言われていたのが、今、東京商工リサーチなんかだと25年切ってるような。ただ身の回り見ると、ずっと続いてますよ、っていう企業も多いと思います。世界最古の企業が日本の金剛組。創立が578年ですからすごいですよね。宮大工だからまあ仕様がないかもしれない。それから次の発表の山梨県にあります西山温泉の慶雲館。これが705年かなんか創業ですよね。ネーミングは慶雲2年に創立したから慶雲館。非常に分かりやすいですけど。まあ長々と続いてる企業が多いですけども、今後はどうか分からない。これ、コマツ。何ですか、ショベルカーとかダンプを多くやってますけど、前から自動運転やってましたけども、これ、運転席がないんですね。昨年かなんかに発表されましたけど、こういう状態でどんどん、どんどん変わってます。次の画面お願いいたします。

 最後、「多様性」というところで、さすが総合学科ですね、科目数が100程度。そんなにある学校はほんとに少ないと思います。生徒のニーズ、あるいは社会の要請も非常に多様になってると思います。大ざっぱな言い方で大変恐縮ですけども、今までは皆さんが一斉に「こういう方向に行きましょう」と、こういうかたちでよかったんだと思います。ところが、それでうまくいかなくなってるもんで、いろいろな言い方がございますけども、やはり突出した能力を持ってる者も必要かなと。ただそうは言っても、あんまり突出すると嫌がられちゃってね、なかなか社会で受け入れられないような状態があるかと思うんですけども。そういった多様性という部分でも、見事に今市高校、対応が可能だし、保護者も十分やってる状態があるなと思いました。次の画面お願いいたします。

 私も「そんとくん」使わせていただきました。大会冊子26ページには、この「達成力(もう一歩がんばる生徒)」っていう合言葉という表現でございましたけど、勉強、読書、プラスワンと。二宮尊徳みたいに薪を今かついでる人はあんまりいないですけど、本の代わりにスマートフォンか何か見ている姿は非常に多いですよね。で、勉強は当たり前として、読書の効果というか、これも大事だと思う。それを学校が合言葉としてやっているのは非常に大事ですし、最後のプラスワンというのもね、先ほどの多様性と連動すると思います。みんな一緒じゃなくてですね、基本的な大事な部分はおさえつつ、あなたにとって何が大事ですか、将来どうしたいんですか、っていう部分に直結していると思います。ですから学校自体がこういうことを打ち出してると、保護者としても非常に対応がしやすいんじゃないかなと思いますし、実際発表にあったような方向性で向かってる。ぜひ今後も生のというか、直接対面するようなコミュニケーションを増やしていただきつつ、「産業社会と人間」を中心に、ほんとにメリットを活かして活動を続けていただきたいなと思います。時間ですので。どうもありがとうございました。(拍手)

中林:鈴木さま、どうもありがとうございました。わざわざ「そんとくん」をパワーポイントに入れていただいて、大変丁寧なご助言いただけたと思います。ありがとうございました。続きまして後半の発表に入ります。お席の移動お願いいたします。お疲れさまでした。(拍手)

 ではご準備が整うまでもう少しお待ちください。本日この席ですね、会場の席、1,200席ほどご用意しておりまして、多少ちょっと空きは見えるものの、ほぼほぼ満席状態ということを伺っております。神奈川県開催ということもございまして、神奈川県からは520名程度、この会場に集まっていただいておりますが、それ以外にですね、今の栃木県のご参加が157名と聞いておりますが、どのあたりにお座りでしょうか。ちょっとお手を挙げていただいてもよろしいですか。栃木県の方。たくさん。ありがとうございます。ちょっと手をふってみたりして。すみません。はい。ありがとうございました。次の山梨県。こちらはですね、50名程度というふうに聞いておりますが、ちょっと。はい。なんかもうちょっとたくさんいるように見えますね。ありがとうございます。はい。それからですね、お隣り千葉県、こちらが80名程度と聞いております。千葉県の方。前のほうで。ありがとうございます。はい。それから埼玉県は150名程度というふうに聞いておりますが、ちょっとお手を。ありがとうございます。たくさん来ていただいて。ありがとうございます。それから群馬県がですね、120名かな、100名って聞いております。はい。遠くからありがとうございます。はい。それから茨城県。こちらが70名程度って聞いてます。全体にばらまいていただいて。はい。ありがとうございます。

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