第63回 関東地区高等学校PTA連合会大会 神奈川大会

平成29年7月7日(金)8日(土)
関東地区高等学校PTA連合会 神奈川県立高等学校PTA連合会

第3分科会 「生活指導とPTA」

1部 2部
発表者
山梨県
所属校
山梨県立甲府工業高等学校
役 職
PTA 会長
氏 名
保坂 喜一(ホサカ キイチ)
発表テーマ
「学校行事とPTA 活動の関わり」

堺:皆さま、おはようございます。ただ今より、第63回関東地区高等学校PTA連合会大会神奈川大会第3分科会を開催いたします。私は本日の第3分科会の司会を担当いたします、神奈川県立平塚江南高等学校平成28年度PTA副会長、堺洋子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに開会のあいさつを神奈川県立平塚江南高等学校長、小野文生より申し上げます。

小野:皆さん、おはようございます。横浜の夜はいかがでしたでしょうか。この分科会は650名の方々で構成されているとお聞きしております。そのうちの約350名の方々が、他県からおいでになっていると先ほどお伺いをしました。この分科会、「生徒指導とPTA」は、神奈川県の平塚秦野地区のPTAが担当ということでして、私は、平塚江南高校の今紹介にあずかりました校長をいたしております小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 昨日も話がありましたが、くしくも7月7日、今日は8日が、七夕の期間ということで、私ども平塚では今、日本の三大七夕祭りの一つといわれてます「ひらつか七夕まつり」が行われております。テレビ等で報道されておりますので、雰囲気はご承知だと思います。一度も見たことがないという方には見ていただけると、やはり規模が想像を絶するものがございます。出店も多く結構楽しいものでございますので、お時間のある方、これが終わりましたら、ここから1時間もかからない所でございます。ちょっと人は多うございますけれども、天気も良いので寄っていただければ幸いに思います。

 さて、生徒指導ということでございますが、生徒が社会に巣立ってやっぱり自分らしく、そしてそれぞれの人権を尊重しながら自分自身はもとより、周りの全ての人の命を大切にして、今日表題にあります、本当に人を思いやる、そうした豊かな人間性を育むということを目標にやっぱり行われるべきものだと、私は考えております。学校教育、もちろん教科学習、教育指導というのは根幹にございます。全ての学校教育は生徒指導が大きな基本になっているものだということを考えながら学校教育を進めていると、私はいつも思っているところです。その生徒指導について今日は研究していただくということで、昨日羽鳥さんの話にもございました、この高校3年間の経験や出会いが本当にその人生に大きく関わる。多分ここにいらっしゃる皆さま方も私自身も、高校の時の3年間というのは、大変自分の人生に大きな影響を与えていると感じておられる方が多いのではないかと思います。そういった意味で、とても子どもたちを育てていく上では、関わりですとか一言一言が本当に大きなものになっていることを自覚しながら、学校と家庭が一つになって、PTAの方々と一緒になって生徒を指導していくことが大変重要だと考えております。周りの大人がやっぱりいろんな意味で子どもたちを見守る。そういったことで、見守りの一助と今日のこの研究がしていただければ大変ありがたいと思います。どうぞ午前日程になります、昨日から引き続きちょっと座りっ放しにはなろうかとは思いますが、ぜひ何か掴んでいただいてお帰りいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 これより第3分科会を始めます。まず前半の議長、発表者、助言者の方々をご紹介申し上げます。議長の山梨県立甲府工業高等学校教頭、菊島圭一様です。提案者の山梨県立甲府工業高等学校PTA会長、保坂喜一様です。パソコン操作は、山梨県立甲府工業高等学校総務主任、河野公昭様です。助言者の神奈川県立高浜高等学校長、土佐明美様です。それでは早速、前半の発表に入ります。議長の菊島様、ごあいさつの後、進行をよろしくお願いいたします。

菊島:皆さま、おはようございます。ただ今紹介いただきました菊島と申します。昨年はこの関東高P連大会が私どもの山梨で行われました。山梨にお越しいただいた方もこの中にいらっしゃるのではないかと思います。その節はどうもありがとうございました。

 それでは、前半の議事進行を私が務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、山梨県立甲府工業高等学校の発表ですが、私、教頭の菊島と、それからPTA会長、保坂喜一の2名で発表させていただきます。よろしくお願いいたします。それでは、座って失礼いたします。

 ここからの発表ですが、「学校行事とPTA活動との関わり」と題して発表させていただきます。本校は大正6年に創立されまして、今年100周年を迎えます。山梨県工業教育の基幹校として産業界に多くの技術者を送り出しているほか、行政、教育などの各分野でも活躍しています。ちなみに本校の全日制約70名の教員のうち、20名が本校のOBとなっています。

 山梨県についてですが、皆さん山梨県に来ていただいたことがあるでしょうか。県のほぼ真ん中に甲府市があります。山梨県で有名なものといえば、ブドウ・モモなどの果物、それからワインなどもお馴染みだと思います。県のシンボルである富士山は本校からも静岡県の県境方面に見えています。昨年の関東高P連山梨大会で記念講演をしていただいたノーベル賞受賞者の大村智先生も山梨のご出身です。私が今住んでいる韮崎市の出身で、地元の山梨大学を卒業されて、東京では工業高校の先生をされていたということです。非常に山梨の教育にもたくさん基金をつくってお金を出していただいたり、地元では美術館や温泉などもをつくっていただいたり、地域ではとても気さくな方と評判です。

 続いて、甲府市を紹介させていただきますが、本校のある甲府市は、県庁所在地では日本一人口が少ない市といわれています。甲府駅の武田信玄像はご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思います。今も昔もどんと構え、県民を見守ってくれています。それから、水晶など宝飾は伝統的な甲府市の地場産業です。最近は、B級グルメチャンピオンになった甲州鳥もつ煮なんかもちょっと有名になってきました。

 『花子とアン』の村岡花子は本校の近くの女子校の先生でした。「こぴっと」という方言を使う人は今は山梨でも少ないですが、生徒を注意するときに「しっかりしなさい」という意味で「こぴっとしろ」なんて言う先生もたまにいたりします。それから、甲府市出身の田原俊彦は本校の卒業生です。

 それでは、本校の紹介をします。甲府駅北口から約1キロの所にありまして、徒歩10分ほどと、通学には非常に良い立地になっています。県内各地の70を超える中学校から800名あまりが入学しております。質実剛健を校訓とした伝統的な校風は創立当初から今日まで引き継がれ、技術者である前に一人の確固たる人間となるような教育を理想として掲げています。

 本年度より文部科学省のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)に5年間の研究指定校として選ばれました。これまで以上に教育活動を活性化し、「地域産業を支え、地域創生するエンジニア育成」をテーマに研究開発を行っているところです。また、地域産業の担い手育成の切り札として、平成32年に機械・電気電子をより深く学ぶ2年制の専攻科が本校に設置されることになりました。専攻科の創造工学科という名称は、今学校で考えている案です。このように今年度はSPHの初年度、それから専攻科の1期生になる新入生の入学、創立100周年式典など、次の100年を踏み出すのにふさわしい年となりました。これまで本校は、人間教育をベースにものづくり・進学・部活動の各分野でトップを目指すというスーパー甲府工業構想というのを進めてきましたが、これからはさらにハイパーな学校づくりを目指しているところです。

 創立100周年事業ですが、100周年記念館の建設、マイクロバス、記念誌の発行、記念式典の開催などの事業を計画しているところです。

 次に学科を紹介します。機械科と電気科は各2クラス、電子科、建築科、土木科は各1クラスずつで、各学年が7クラスになっています。それでは、ここで本校の学校紹介DVDの中から、5学科全部だとちょっと長くなりますので電気科の内容を少しご覧ください。

<動画上映>

菊島:この学科紹介は本校のホームページにもありますので、もしよかったらご覧になってみてください。

 次に部活動についてですが、本校では全員入部制を取っており、部活動は大変盛んに行われています。今年の関東大会には、剣道、男女の柔道、バレーなど14種目が出場しました。インターハイ、全国大会には、弓道、自転車、新体操、卓球、放送、写真が出場しています。野球部は甲子園に春夏合わせて13回出場しています。今日発表のPTA会長の保坂さんも本校の野球部のOBです。

 それでは、ここからは本校のPTA活動につきまして、PTA会長から発表していただきます。

保坂:続きまして本校のPTA組織と活動状況になります。

 PTA組織は、顧問、会長、副会長、監事の本部役員が10名、学年PTA役員が12名と、生徒指導、保健体育、女性部、広報の専門委員会から構成されています。活動状況は、4月にはPTA総会、5月に第1回女性部会、6月には女性部実習見学会、6月と9月には役員と先生方によるマナーアップ運動が行われています。10月には2回目の女性部会、強歩大会協力者会議に100名を超える役員が参加し、それを踏まえて11月には強歩大会が行われています。

 甲府工業は部活動が活発ということもあり、学園祭は11月に行われていますが、その中で女性部はバザーを開催し、うどんやみそおでんの販売をしています。12月、1月には、広報委員会が行われてますが、PTA新聞はそのときに作られています。

 本校のPTAの活動についてですが、まずマナーアップ運動についてになります。PTAによる校門での指導の様子です。あいさつ運動と自転車に乗る上でのマナーアップをさせることを呼び掛けています。駅から自転車で来る生徒もいれば、片道十数キロを自転車で通学してくる生徒もいます。保護者として、自転車通学による事故がないようにマナーを守ること、あいさつを大切にして、先生方と一緒に校門に立ち呼び掛けています。

 続いて強歩大会ですが、こちらは山梨独自の学校行事になります。毎年11月に行われております。全長33キロにも及ぶ山道を歩きますが、上位の生徒はほとんどを走り切ります。自己の体力に応じて目標を設定し、全行程を踏破することにより、自己管理能力を養うとともに、他では得られない持久力、忍耐力、公徳心なども得られます。標高差600メートルのコースは、観光地の昇仙峡もある自然豊かなコースです。観光バスやマイカーが多い所もあることから、PTAとしても交通指導などに約100名が協力をしています。「頑張れ」と声を掛ければ、ほとんどの生徒が「ありがとうございます」等の返事が返ってきます。

 ここでは女性部の姿に注目をしていきたいと思います。5月、10月、1月と3回の女性部会を開催しています。6月の実習見学会のほか、11月の強歩大会や学園祭の準備という役割を果たしています。実習見学会では、生徒も利用している食堂で昼食を取った後、各学科の実習を見学しています。こちらが工業高校ならではだと思うんですが、写真の向かって右側になりますが、機械科の実習です。溶接をしているところを、女性部のお母さん方が溶接の火花や目を守るためにハンドシールという顔を覆うお面を持っている姿になりますが、こんな実習見学も工業高校ならではないかなと感じております。

 強歩大会での豚汁作りは、1,000名近い人数分になるので、大きな釜2つを使っています。こちらで、学校紹介ビデオの中で様子が分かりますので、もう一度ビデオをご覧ください。

<動画上映>

保坂:今、強歩大会の模様をご覧になっていただきましたが、私も本校の卒業生であり、3年間ほぼ同じコースを走らせていただきまして、観光地の昇仙峡っていう所、行ったことがある方は覚えていらっしゃると思いますが、馬が、観光客を乗せる馬車がいまだにありまして、その横を生徒たちが走り抜けていくというようなコースになっておりますので、飽きずに33キロを走れるんじゃないかと今も感じております。

 続いて11月の学園祭では、バザー、うどん、みそおでんの販売を昨年もいたしました。昨年度の売上金は食料費としてほとんど使われ、儲けはなかったようです。これらの行事にPTAとして参加することで、生徒を身近に見られる楽しみもあったという方々も多かったです。親たちが協力する姿を見て考える、それも生徒指導の役割と考えています。

 本年は創立100周年に当たり、学校の歴史の大きな区切りとなる年で、各行事が展開されています。今の左側が5月中旬の記念館の様子になります。この右側は、今週の様子になります。同窓会が中心となり、100周年事業の一つとして建設をされています。8月には完成する予定で、10月には記念式典が県知事、県教育長や地元関係者などの参加により開催される予定であります。保護者としてもできる限りの協力を考えております。今後もPTA活動の活性化を目指し、地域の方々と関わりながら、今以上に学校や生徒のことを知っていただけるようにしていきたいと思っております。

 こちらは広報委員会が中心となり、年1回ではありますが、2月に「PTA五葉」という新聞を発行しています。五葉というのは、本校には5学科あることからきています。また、この新聞は広報紙コンクールにも参加しております。文章中心で発行されていましたが、多くの人が見やすいように、2年前から写真中心に編集されるようになりました。ご覧いただいているのは、昨年度発行したものになります。右側が表紙になりますが、開校当時の校舎から現在の校舎の写真を表紙に、左側が裏面になりますが、姉妹校交流やクラブ活動などの生徒の様子を載せています。内側になりますが、生徒と歩んだ3年間を昨年度の役員さんがまとめてくれました。4月の入学式、PTA総会、登校指導、実習見学会、強歩大会、五葉祭など、生徒と関わってきたものを行事で作成しております。このバックの色は、3学年あるんですが学年色ということで青を中心としております。

 今年は5月に山梨掃除に学ぶ会という会が主催により、トイレ掃除に200人あまりの参加で展開されました。参加した生徒は「トイレがきれいになり、心もすがすがしくきれいになった気がする」と述べていました。学校が次の100年につながる美しさになるような様子でした。

本当に貴重な体験であり、美化意識や感謝の気持ち、愛校心もより深まったと思います。写真は、生徒たちがトイレ掃除を行っているときに、女性部が昼食の準備をしている写真になります。

 本分科会が「生徒指導とPTA」というテーマでの取り組みですが、学校による生徒指導と同じように、生徒指導に、ひいては学校行事にPTAとしていかに関わることが大事だと思われるような活動になります。生徒と保護者のつながりにおいて、本校ではPTA活動の参加率は役員はほぼ100%になります。親の姿を見て子は育つといわれるように、生徒指導はその言葉にも通じると思います。さまざまなPTA活動を通じて、保護者の協力がいかに生徒に与える影響が大きいか実感することができました。以上になります。ご清聴ありがとうございました。

菊島:ありがとうございました。それでは、ここから質疑の時間を取りたいと思います。ただ今の発表に関して、ご質問のある方は挙手をお願いいたします。その際には学校名とお名前をよろしくお願いいたします。ご質問いかがでしょう。お願いします。

大澤:おはようございます。保土ケ谷高校PTA会長の大澤と申します。よろしくお願いします。今、見てて驚いたんですけども、うちの高校もマラソン大会などで豚汁や給水活動などもやっているんですが、一応無料のアプリを使いまして、学校に入学したお子さんのご父兄の方にはアプリに登録していただいて、ボランティア活動というのを募集しているんですが、なかなかやっぱり思うように集まらないんですね。なんですが、今PTAの役員の方だけでも行事の参加率が100%っていうお言葉を頂いて、すごい今みんなで驚いていたんですけれども、どのように募集をかけるというか、みんながそういうふうに絶対参加しますみたいな感じになるのかなっていうのを、教えていただけたらと思います。

保坂:今のご質問なんですが、正直、最初の入学当時は少し、ご両親とも工業高校というところに戸惑いを感じる方も正直いるかとは思ったのですが、私も同窓生ということで、役員さんがやはり同窓生が多いというところがあるかと思います。学校の良さを皆さんで共有し合っていって、3年間で進学する子、就職する子、それぞれ分かれるわけですが、ほんとに甲府工業の良さを執行部中心に皆さんに伝えることが毎年できているところが全てだと思います。ちょっと説明になっているかどうか分かりませんが、その辺が一番のところだと思います。

大澤:ありがとうございます。

菊島:私も赴任して2年目で、甲府工業、初めてなんですけれども、最初にちょっと言いましたが、教員も20名も同窓生がいる、それからお兄ちゃん、お姉ちゃんも本校の卒業生とかいうことで、そういうところも原動力になっているのか、非常に、学校の行事なんかは生徒も保護者も先生も非常に盛り上がって、大変活気のある学校だと感じています。そんなところからPTA活動も自然に活発になってるのかなとも感じております。

 それでよろしかったでしょうか。ありがとうございました。

 質疑ですけれども、時間の関係上、もう一方だけお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。ありますか。お願いいたします。

平塚江南高校:私、平塚江南高校のPTA役員ですが、書いていらっしゃる役員の部類の中で、女性部というふうに特化して女性の役員のグループができているんですけれども、私たちやはり役員を集めることからしてとても大変で、とても女性と男性を分けるなんてことはできないわけですね。なので、わざわざ女性部、女性の参加率が多い中で、女性部という形で囲うことによるメリットがありましたら、教えていただけたらお願いいたします。

保坂:これも入学式から役員さん集めに始まるんですが、女性部っていうのは非常に入り手が多くて、非常に人気の部で、あっという間に集まってしまうというか。先ほどもお話がありましたが、お2人目、3人目というような、お子さんが続けてくる方も多いですし、行事の内容を皆さんご存じということで、その行事に協力して参加をされたいという方が多いということですね。学校行事に子どもに身近に参加したいというお母さん方は非常に多いというところで、甲府工業の伝統ですね。女性部というのはほんと甲府工業の伝統で、山梨県内でも甲府工業の役員さん、女性部はこういうもんだよということをほとんどの方がご存じじゃないかなと。そんなような説明になりますが。

菊島:PTAの活動、大変なんですけれども、この中で今、会長も話したように、楽しみもあると。そんな企画も盛り込みながら、そういうことが生徒を通じてとか、他の保護者の方からも通じて、PTAも楽しんだよみたいなことが伝わっているんではないかなとも感じております。よろしかったでしょうか。

平塚江南高校:ありがとうございました。

菊島:それでは、どうもありがとうございました。これで前半の発表の研究協議を終わりとしたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。

堺:山梨県立甲府工業高等学校の皆さま、素晴らしい発表をありがとうございました。

 ここで、ただ今の発表に対してご助言を頂きます。山梨県立甲府工業高等学校の発表に対して、神奈川県立高浜高等学校長、土佐明美様、ご助言をお願いいたします。

土佐:皆さん、少し時間が早いようですので、せっかく神奈川にお越しいただきましたので、神奈川は今手話を推進しております。簡単ではございますが、自己紹介を手話でやりますので、ぜひ覚えていってください。私の名前は、高い、高、波が打ち寄せる高浜、学生帽、高浜高校、勉強するですね、二宮金次郎、校長、女性ですので小指、校長の指文字です。土佐と申します。よろしくお願いいたします。

 どうぞご着席ください。(拍手)ありがとうございます。

 本日は山梨の工業高校さんの発表でしたけれども、私は神奈川の昨年まで福祉コースのある学校におりましたので、少しずつ生徒とともに手話を覚えているところでございます。

 さて、「技術者となる前に人間となれ」という教育理念を掲げた創立100周年の伝統校であられ、先ほどの発表にありましたように、地域はもちろん国や県からの大きな期待を背負っておられるということが、よく発表で伺えました。また、私も一時、神奈川の工業高校の定時制に勤めたことがございましたけれども、学校の施設、それから電気科の授業の様子、拝見いたしまして、本当にうらやましく思っていたところでございます。文部科学省のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの指定も受けられ、また平成32年には県立高校では珍しい専攻科が設置されるというお話は、今神奈川県は高校改革の真っただ中というところで、大変興味深くお話を聞かせていただいたところです。この学校のことについてもっとお話を伺いたい気持ちもあるのですが、本日はPTA活動ということが主体ですので、話を戻させていただきたいと思います。

 まず、質疑にもございましたが、私も発表の中で各クラス6名の役員さんが出られるということに驚きました。神奈川では多分、学校によって差はありますけれども、3人もしくは3人いないかという状況ではないかと思います。また選出も、なるべくやりたくないんですけれども、入学式にじゃんけんで決めたり、そんなような状況もあります。

 本日は、マナーアップ運動あるいは強歩大会の交通指導、女性部の豚汁作り等の活動について発表いただきましたが、神奈川県でも先ほどもお話ありましたけれども、類似するPTAの活動はたくさんございます。ただ、今日せっかくですので助言というよりもお土産に持って帰っていただけたらと思いますのは、神奈川の場合には役員さんはほぼ女性が多いんですね。その中で女性部ではなくて、おやじの会というものを立ち上げている学校もありまして、ペンキ塗りや学校の修繕、あるいは機械を使った草刈りとか、そんなことにお力を貸していただいているという活動がございます。ただ、工業高校さんですと、むしろ生徒さんのほうがその辺はできるので、おやじの会は必要ないのかなとも思いますが、そんなような活動があります。

 あるいは役員が少ないですので、PTA活動ボランティアあるいはPTAサポーターズというようなそれぞれの名称で、仕事をしていて役員にはなれないけれど、年に1度ぐらいは子どもたちの行事に参加してお手伝いしようという方のために、そんなようなシステムを作って、文化祭だけ文化祭の前になると募集してというような取り組みをしている学校もあります。

 以上2点、神奈川県の取り組みとして今後の活動にご参考にしていただければと思っております。

 さて、最後ですけれども、皆さんも今スライドで見たので記憶に新しいと思いますが、山梨掃除に学ぶ会主催のトイレ掃除、とても素晴らしい取り組みだと思いました。本校でもやってみたいなというふうに思っております。

 実は私もトイレ掃除にはとてもこだわりがありまして、つい最近、全校集会でトイレ掃除にまつわる話を生徒に全校生徒の前でしました。その話はあるテレビ番組で紹介されていたお話なんですが、暴力事件とかを起こして高校中退してしまった少年の話で、高校中退後ぷらぷらしてたんですね。そしてもうあっという間に二十歳を過ぎ、そのころ自分の中学校の後輩に会って、「おまえ、何やってんだよ」っていう感じだったんでしょうか。そのときにその少年が自分のお財布に千円札しか入ってなかった。それをきちっと高校を出て就職をした後輩にばかにされたんですね。千円札しか持ってないのか。それで奮起しまして、仕事を探そうと思ったけどなかなかない。ごみ拾いから始めた。ごみ拾いから始めて、トイレ掃除もやり、そして30歳になるころには、なんと年収2億円の人材派遣会社、いろんな工事現場やらトイレ掃除やら、そういうところに人を派遣する会社の社長さんになったというお話なんですね。そんな話を生徒にもしております。

 そして、恐らくその社長さん、彼は高校時代にはトイレ掃除なんか最もやらなかった生徒ではないかと思いますけれども、社長になった彼いわく「働く上でトイレ掃除が基本だ。まずトイレ掃除を3日間やる」、そんなことを言うようになりました。統計的にも本当かうそか、本当のようですけれども、私も信じて頑張ってますが、トイレをきれいにする人、トイレ掃除をやる人は収入が高いんだそうです。ぜひご参考になさってください。

 「技術者となる前に人間となれ」という教育理念を学校の教職員だけでなく、PTAの活動がその具現化に取り組んでくださることは、学校関係者としては大変ありがたく心強いことでございます。学校の教育環境の整備や生徒の活動支援、あるいはPTA会員の相互の学びという例はたくさん報告されておりますが、このように学校の教育理念をPTA活動を通して具現化し、学校、地域とともに子どもたちの人格の形成に関わるという大変素晴らしい取り組みを本日発表していただきました。どうぞこれからもますます甲府工業高校ならびに甲府工業高校PTA活動の発展を祈念いたしまして、はなはだ簡単ではございますが私の講評とさせていただきます。

 手話です。お相撲さんの「ごっつあん」です。ありがとうございました。

堺:土佐様、ありがとうございました。前半の発表校の皆さま、ご着席ください。

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