第63回 関東地区高等学校PTA連合会大会 神奈川大会

平成29年7月7日(金)8日(土)
関東地区高等学校PTA連合会 神奈川県立高等学校PTA連合会

第4分科会 「家庭教育とPTA」

1部 2部
発表者
千葉県
所属校
千葉県立長狭高等学校
役 職
PTA 会長
氏 名
織田 敏男(オダ トシオ)
発表テーマ
「家庭教育の充実を図るためのPTA 活動」

益田:皆さま、おはようございます。朝早くから分科会に足をお運びいただきありがとうございます。私は、本日の第4分科会の司会を担当いたします神奈川県立小田原高等学校PTA副会長の益田麻衣子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

 初めに、開会のあいさつを関東神奈川大会実行委員の安藤弘毅より申し上げます。

安藤:おはようございます。

会場:おはようございます。

安藤:関東大会実行委員神奈川県連の安藤でございます。皆さん、神奈川はここ横浜の地にお越しいただき誠にありがとうございます。昨日お泊りの方は、横浜の夜を楽しんでいただけましたでしょうか。また、本日教育視察に参加される方は神奈川の魅力を十分に堪能してお帰りいただきたいと思います。ここ、第4分科会は神奈川県の中でも県西部、箱根、小田原、南足柄、山北といった地域の県立高校8校で運営をさせていただいてます。山あり、海あり、温泉ありという地域になりますので、また神奈川にお越しの際は横浜以外に箱根、小田原、南足柄といった地域にもお越しいただきたいと思います。

 それでは、これより第63回関東地区高等学校PTA連合会大会神奈川大会第4分科会を開催いたします。(拍手)

益田:まず、前半の議長、発表者、助言者の方々をご紹介申し上げます。議長の千葉県立長狭高等学校長、鈴木希彦さまです。

鈴木:よろしくお願いします。(拍手)

益田:提案者の千葉県立長狭高等学校PTA会長、織田敏男さまです。

織田:よろしくお願いします。(拍手)

益田:会長補助として副会長の長谷川勉さまです。

ハセガワ:こんにちは。よろしくお願いします。(拍手)

益田:パソコン操作は千葉県立長狭高等学校教頭、斉藤賢さまです。

サイトウ:よろしくお願いします。(拍手)

益田:助言者は神奈川県立西湘高等学校長、森加津子さまです。(拍手)

森:よろしくお願いいたします。(拍手)

益田:それでは、早速前半の発表に入ります。議長の鈴木さま、ごあいさつの後、進行をよろしくお願いいたします。

鈴木:皆さま、おはようございます。

会場:おはようございます。

鈴木:はるばると海を渡ってまいりました。千葉県立長狭高等学校の私は校長の鈴木と申します。本日は「家庭教育の充実を図るためのPTA活動」と題しまして、私から初めに学校のご紹介をさせていただきます。その後に会長の織田から、PTA活動についてお話をさせていただくという順番で行いたいと思っております。

 その前に、昨日夜、リハーサルでこちらのほうにまいりました。このホールに来て驚いたことがございます。このホールは60年ほど前に建てられたということで、私、初めて来たんですけども、日本でも最も古い類の音楽ホールということですが、驚くのはここの音響というのが、もう他にも真似のできない音響の施設なんだそうです。世界の音楽界のレジェンドたちがあそこでやりたいと、こう言ってるような会場ということで、そういうところでお話ができるというのは大変光栄で、頑張ってやらせていただきたいというふうに思います。何でもマイク使わなくても、ずっと後ろのほうまで声聞こえるっていうんですけど、ちょっとやってみたいと思います。

 皆さん、聞こえますでしょうか。はい。私、今普通に話してます。隣の人と話すような感じですね。やっぱり素晴らしいホールだと思います。ちょっとお聞きしたいんですけれども、千葉県以外の方にお聞きします。私どもは千葉県の鴨川から来ました、鴨川市。鴨川というところに行ったことのある方、ちょっと挙手をお願いいたします。ありがとうございます。行ったことのない方、どのぐらいいらっしゃいますか。ありがとうございます。結構皆さん、いらっしゃってるんですね。今日は町の紹介なども含めて、お話をさせていただきたいと思います。

 それでは、早速よろしくお願いいたします。それでは、ここが本校の全景となります。空から見たところですけれども、周りには結構田んぼがございます。「ながさ」と呼びます。長いに狭いと書いて「ながさ」。これは長狭平野という平野がございまして、そう広くはないんですけれども、太平洋に面しております。ところで、長狭という言葉に皆さんちょっと聞き覚えはないでしょうか。と言いますのも、あまりたくさんではないのでなかなか流通されてないんですけども、とてもおいしいお米が取れるんです。長狭米と言います。結構知る人ぞ知るお米でございますけれども、そういうところに学校がございます。

 この安房鴨川という駅から歩いて10分のところにございます。ところで、これ、千葉県地図なんですけれども、内房線、それから外房線とありますが、ここでまた質問です。安房鴨川駅、それでは内房線に属するのか、それとも外房線に属するのか、どちらか挙手をお願いしたいと思います。内房線だと思う方、どうでしょうか。何人かいらっしゃる。外房線だと思う方、ありがとうございます。引っ掛ってくださってどうもありがとうございます(笑)。

 実は、次のはこれがささやかですけれども鴨川駅。上のほうに長狭高校の垂れ幕もあるんですけれども、この駅の中に入りますと時刻表が書いてございます。こういう駅なんですね。意外にここでうけましたですね。電車の数少ないんです。よく見てほしいと思うんです。

 実はこの上のほうに内房線上り、外房線上りと書いてあるんです。ということで、実は内房線の始発でもあるし、外房線の始発でもあります。つまり、内房線と外房線の始発あるいは終着の駅ということで両方に、たそがれのあれですね。もう本当に一番先端の町ということで、イメージとしては考えていただいてよろしいかと思います。

 鴨川といったらシーワールドが結構有名かと思います。皆さんのことをシャチがお迎えしております。サーフィンも有名です。サーフィンはあちこちでやってますけども、実は50年ほど前なんですが、日本で一番最初に全国大会が行われたのも鴨川ということでございます。

 そして、1年中花が咲いているということです。真冬でも一面菜の花畑というような、そういう地域もございます。とってもいいところだなって自分で自画自賛してるんですけども、まだ来てらっしゃらない方はぜひお越しいただければと思います。

 今度、鴨川市の人口でございます。大体もう皆さん予想つくと思います、あの電車の数でございますから。質問です、3万人、5万人、10万人、ちょっと手を挙げていただきたいと思います。1番の3万人だと思う方、どうぞ。ありがとうございます。あとはもう聞きません。そのとおりでございます。答えは3万3,253人というのが一番最近の発表でございます。約3万人という非常にささやかな町ではございます。ところが、この小さな町に、実は、これは亀田総合病院さんのほうにはちゃんとお断りをしてあるんですけども、大きな病院があるんです。従業員が4,300人、お医者さんだけで400人以上いるというとても大きな病院なんですね。こういう病院がそびえ立つのと同時に、実は大学も2つあるんです。これは亀田医療大学といって、先ほどの総合病院の同系列の大学なんですけども、ここで看護師を養成してるというようなところがございます。こういう環境を活用しまして本校では千葉県で初めての医療福祉コースを設置いたしました。今年で4年目となります。医療コースは医師、看護師、それから薬剤師、その他の技師さんなんかを養成するというところでございます。福祉コースは社会福祉だとか、そういった資格を取ってということでございます。

 写真は、実は病院とかあるいは医療大学に生徒が行きまして、そこで実習を受けてるという姿でございます。また、逆に大学の先生やあるいはお医者さんが本校に来まして講義をしてくれるというようなこともございます。

 もう一つ大学がございまして、これは城西国際大学の観光学部と言います。この大学の特徴としましては、海外からの留学生がたくさんいるということでございます。ということで、本校はそれをまた生かしまして毎月大学との連携で英会話教室を行っています。英語圏の方々との交流なんですが、生きた英語を身に付けるということもそうなんですけれども、国際的な視野を広げるということ、それから異文化に接するということ、こういったことを子どもたちに伝えております。実際に本校を卒業して、海外に留学するという生徒もいるというようなことでございます。

 これが正面から見た学校の校舎の一部なんですが、本校の建っている場所が桜が丘と通称いわれているところで、これはサクラの花なんですけれども、入学生は毎年このサクラの満開の花で迎えられるというところでございます。地域にあって、これは鴨川市にはたった1校の公立高校でございまして、大体住んでる人、そこに歩いてる人、みんな長狭高校の卒業生かなってぐらいに本当に根付いてる学校というところであります。

 では、いきましょう。伸ばす長狭高、伸びる長狭高生。これが制服でございます。

 これからはちょっとクラッシックな学校の紹介をさせていただきます。大正11年、組合立長狭中学校。旧制中学校から始まりましたけれども、実は大正11年といいますと第一次世界大戦が終わって、これから世界の動乱期が起ころうとしている、そういうときに本当に大変田舎の町でしたので、おらが町の子ども達が教育に後れを取ってはいけないということで、大変貧しい中を人々がお金を出し合って学校を造ろうとします。

 ところが、資金が十分にそろわない。そこで江戸時代から続いた牧場があるんですけれども、嶺岡牧場というんですけれども、その嶺岡山の牧場を売ってお金をつくって、それをこの長狭高等学校の創設の資金にしたということであります。このようにみんなでお金を出し合って造った学校、これは文部大臣が大変はんこを押すのは渋るところなんですけれども、これで認められた旧制中学校としては全国で2番目という記録が残っております。はい。

 これは先日行われた文化祭の様子なんですけれども、この写真はやめろと言ったんですけれども、一番手前に変な写真が残ってる、私でございます。すみません。はい。

 ということで、昭和23年には新制の現在の長狭高等学校という名前になりました。どうか今日は、長狭という名前を覚えてお帰りいただきたいというふうに思います。

 卒業生は2万人を超えております。有為な人材を輩出しておるんですけれども、学年8クラスの時代がずっと続いたんですが、この10年間少子化が進みまして、現在では学年4クラスという非常にこぢんまりした規模の高等学校となりました。

 学校の特色をちょっとご紹介しますと、本校は毎朝10分間の朝読書を行っております。地域の中学校が朝読書を行ってますので、それに引き続いて高校でもやっております。電車の中でも何でも自然にうちの生徒は本を開いて読むっていう、そういう習慣があって、いろんな人から感心ですねということを言われてるんですけれども、そういう習慣もこういった取り組みから出てきてるのではないかと思います。

 それから、思い切って今年は教室にWi-Fiの環境を整えました。なぜっていうことですよね。実はもう今高校生みんなスマホの時代です。もちろん持ってない子のためにはタブレットなども用意してるんですけども、このスマホを使って授業中に調べ学習を行う。それは調べるっていうのにはもう本当に簡単なもんですから、そういう時代だろうということで取り入れました。さらにちょっとここで見れるんですけど、これはリクルート社が出しているスタディサプリというアプリケーションソフトです。テレビのコマーシャルでもやってるんですけども、本校は全員がこれに入っておりまして、ですので学校でダウンロードして、その内容を帰りの電車だとかあるいは待ち時間などで、隙間学習で見るというようなこともできるようにしてございます。ちょっと画期的な取り組みなんですけども、次世代を考えると教室にWi-Fi、どうかなと考えております。

 夢のサポートと称しまして、本校の生徒の進路先についてちょっと紹介しますけども、ほぼ4年生あるいは短大の大学希望というのが、半分ぐらいでしょうかね。残りのうちの半分が専門学校、そして残りが就職ということで希望を出してます。今年はこういうふうに4年生、短大、ほぼ短大いませんので、4年生で36.3%ということです。専門学校は看護・医療系が多いんですけども38%、そして就職が25%ということですが、このように本校の特徴の一つとしましては、進路の希望先が多岐にわたるということです。ですので、一人一人の子ども達に目を掛けて、その子たちに進路の実現を図るというのが本校の教育目標でございます。はい、いきましょう。

 本校は4クラスですけれども、1年生では選抜クラスを1つ作り、あとは3つは普通のクラスということです。それから、2~3年生につきましては、英語や数学は2つのクラスを3つに分けて少人数の授業を行っております。その3つの中でも特に上のほうを応用クラスというふうに呼んで、特に難しいこともやっているということでございます。

 それから、難関大学を目指すという子どもたちのために、サポートシステムと称するんですけれども、この子たちについては7時間目を週に2回行っているということでございます。

 それから、学校の先生になりたいとかあるいは保育園、幼稚園の先生になりたいという生徒も多数おりまして、これは地元のこっちが幼稚園、こっちが小学校なんですけれども、ボランティアで学習支援を行っているという様子でございます。

 部活動ですね。部活動はこれだけではありません。こんな感じですね。これ、それぞれの部活動の代表の生徒の顔が載っております。運動部が10、そして文化部が9、19の部活動がございまして、どうでしょうか。学年4クラスの規模にしては、かなり種類たくさん部活動は用意してるかなっていうふうに思います。大変盛んです。85%の部活動の加入率ということなんですけれども、こういうことで非常に皆さん明るく活動してくれているということでございます。

 ということで、ちょっと皆さんにお話したかったことというのは、本校は地域に本当に根差した学校でございまして、そういう中で特に千葉県初と申しましたけれども、医療福祉コースなんていうのを2年生から。これは、コースは2年生から希望で取れるわけです。

 ところで、医療コースは現在学年で40人ほどの希望者、それから福祉コースが学年で10人ほどの希望者、合計で50人ですので本校の全体から見ると、3分の1から4分の1の子どもたちの数がこのコースを選んでるということになりますが、それにしましても1年生で本校は学校設定科目としまして本校の特別に他の学校でやってないけれども、特別な科目としまして、生活と医療福祉というのを一週間に1回だけ1時間全員が受けることになっております。この内容は、どちらかというと道徳のような授業になろうかなっていうふうに思うんですけれども、これから先、生きていく社会には体の不自由な人もいれば、ご年配、ご老人の方もいらっしゃるし、あるいはケガをしてるなんていう方もいます。そういった方の体験学習の写真です。

 これは目がちょっと不自由だとか、これはなんか年輩の方が針に糸を通そうとしてるとこですかね。もう私にはできませんけど、こういうこと。こういうことを子どもたちも体験しながら、そういう気持ちが分かるということをやってるんですけれども、大事なことは福祉マインドと私たちは呼んでるんですけれども、どんな人でも同じ社会で生きていく、そういうときに他者を理解するということ。全校集会ではいつも常々言ってるのは、優しさが一番の強さなんだということを子ども達には申し上げております。そういうことを子どもたちは自然に身に付けてきているような気がいたします。

 先日5月の15日、ある新聞の記事で本校の柔道部の記事が掲載されました。それは試合が終わって電車に乗ろうというところです。モノレールだったんですけども、車椅子の青年を助けたという記事でございました。それには反響もあって各地からお電話をいただいたり、手紙をいただいたりしたんですけれども、肝心のその子ども達を、柔道部の子達を校長室に呼んで、私のほうで「表彰したいんだけど」と言ったら、「いや、表彰することではないと思います」というふうに言われて余計うれしかったんですが、こういうことが普通に行われるような社会のイメージを子ども達につけております。そういう心優しい社会人を1人でも多く出したいなということが、私どもの願いでございます。

 この後、PTA活動のお話を会長からしていただくんですけれども、本校の活動としましてそういう教育活動をしているそういう生徒、これから社会に出るのに恥ずかしくない生徒にさせたいという、そういう思いの学校であるということをちょっとイメージしながら、お話を聞いていただけるとありがたいと思います。それでは、バトンタッチいたします。PTA会長の織田敏男さんから、よろしくお願いいたします。

織田:長狭高PTA会長の織田敏男と申します。座ったままお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、家庭教育に求められるものについて説明します。本校生徒は進学・就職に関わらず、その多くが卒業後、家を離れ1人暮らしを始めます。家庭で誰かに見守られてきた生活から解き放たれ、自由な生活を手に入れると同時に、それまで親がかりであった生活から衣食住の全てを1人で行わなければならないということになります。その時子ども達が健康を害することなく、方向を見誤らずに生活していくためには、子どもの自主性を育てる必要があります。それには学校で身に付けていく力とは別に、家庭での関わりが重要になります。今回発表の機会をいただき、改めてPTAとしての取り組みを考えることができました。

 子どもの自主性を育てるために家庭でどのような取り組みをしているか、またどのような心配があるか、記述式のアンケートを行いました。1、子どもの進路について親子で話し合っていますか。2、食事作りや健康管理について、体験を通して学ばせていますか。3、学校の情報は主にどのように知りますかという質問です。

 次にアンケート結果についてです。1、子どもの進路について親子で話し合っていますかという質問です。よく話し合っていると回答した家庭では、次のような回答がありました。親の働く姿や価値観を知り、社会に対する関心が高まった。会話を通して、子どもは自分の適性ややりたいことに気付くことができた。

 また、話し合いたいと考えているが、あまり話し合いができないという家庭では次のような意見がありました。親が進学先や就職先について情報不足。学校に任せきりになってしまう。思春期の子どもとの接し方がうまくいかず、一方通行になってしまう。子どもが親と話す機会を嫌がる。話をしなかったという家庭の回答では、次のような意見がありました。子どもを信用している。子どもの人生だから親がどうしろというような指図はできないし、大きく外れるようなことはないだろうと考えている。

 次に2、食事作りや健康管理について、体験を通して学ばせていますかという質問です。やらせているという家庭では、次のようなことを子どもの役割として任せているようです。お米をといで、炊く。お風呂掃除、食事後の後片付け、洗濯物を畳む、お弁当作り、弟や妹の世話など。役割を与えてないという家庭では、次のような意見がありました。部活動などで子どもの帰宅時間が遅いため、帰宅後は何もさせることができない。ゲームの時間が長く、これといった役割は与えていない。子どもが部活動が忙しく一緒にはできなかった、しかし部活動を引退してからは、お弁当を自分で作るようになった。つい手を出しててしまいたくなったが、忍耐が大切だと思い、褒め言葉を掛けるにとどめた。

 次に3、学校の情報は主にどのように知りますかという質問です。子どもが持ってくる学校からのお知らせなどで知ることが多い。PTA広報誌を読んでいる。学校の情報を知ることで子どもとの共通の話題を持つことができた。子どもが情報誌やお知らせを親に出さないので、保護者同士の連絡を取るように心掛けている。情報がうまく伝わってこない。以上、3つの観点からアンケートを元にPTA活動との関連を考察してみました。

 アンケート結果とPTA活動について説明します。本校には進路委員会、成人教育委員会、広報委員会の3つの常任委員会があります。進路委員会では、毎年大学視察研修会を実施しています。参加者の声は次のとおりです。実際に行くこと、参加することで親としての視野が広がると思いますので、ぜひ多数のPTA会員が参加されることが大事だと思います。わが子を知らない人たちの中に送り出す不安、効率良く学習していかないとついていけなくなるのだという不安がありましたが、話を聞いて大学について少し知ることができ、安心いたしました。また、機会があればどんどん参加していきたいと思いました。

 先ほどの写真は神奈川大学でした。この写真は千葉保健医療大学です。わが子は就職希望ですが、進学という選択もあるかなと親としては揺らぎました。保護者同士のつながりもでき、良かったと思います。普段はゆっくりお話ができない先生方や保護者の方との交流、情報交換ができ、充実した時間を過ごせました。1日に2校の見学ができ、良かったです。進学の大切さを痛感しました。

 この写真は秀明大学です。やはり大学を直接見学することは大切だと思いました。パンフレットで見るのとは違います。もし、子どもが進学を希望するなら、オープンキャンパスはぜひ参加しようと思いました。初めて進路視察研修に参加させていただきました。大学と聞き、堅苦しいのかなと緊張していましたが、とても楽しかったです。お昼もおいしかったし、知らない方もたくさんいましたが、レクも楽しくお話もできました。また、機会があれば参加したいと思いました。大学の説明や学生の案内は丁寧で好印象を受けました。子ども達や友人に話し伝えました。楽しい1日を過ごせ、ありがとうございました。まだ進路が決まってない子ですので、わが子のことを考える1日となりました。娘の適性を考慮し、今から少しずつ話し合わなければあっという間に3年生になります。来年の今ごろは、娘が自分から私は〇〇を進路にしたいという強い意思を持てるように応援したいと思いました。

 成人教育委員会では、親のスキルを上げるために料理講習会を実施し、家庭でできる簡単な料理作りをしたり、さまざまな講演会を開催したりしています。参加者の声を紹介します。普段手作りしないような料理を簡単においしく作るレシピを教わることができ、良かったです。早速家庭で子ども達に作ろうと思いました。調理の作業を通して、初めて会った保護者の方とも気軽に話すことができました。楽しい時間でした。

 広報委員会では年2回広報誌を発行しています。記事集めや編集作業のために学校に訪れる機会も多く、学校の様子や子ども達の様子を間近で見ることができます。中学校までは親が学校の活動に参加するのはあまり嫌がらずにいた子ども達が、高校に入ると嫌がるようになり、学校とも疎遠になりがちですが、PTA活動に参加することで行事の際にはカメラを片手に校内を回ったり、子どもの様子や学校の様子を直ちに知ることができます。

 また、本校ではこのほかに次のような活動を例年実施しています。1、蒼風祭、文化祭におけるPTAバザー、2、競歩大会でのコース補助および豚汁作り、3、サイレージ巡回指導、4、花火大会巡回指導、5、列車内指導、6、登校マナー指導。これら3つの常任委員会の活動や、そのほかの活動は目的を見失ってしまうとただ参加しなければならない大変なものになってしまいますが、親が子どものために時間を使い活動することで親自身の視野も広がり、学校の様子も分かり、親同士のつながりもできることがアンケートを通して確認されました。孤立しない子育てをしていくためにPTA活動は有効であり、ひいては家庭教育の充実を図ることにつながると再認識できました。

 自分自身の子育てもうまくいくことばかりではありません。そのために迷うことは多くありますが、子どもの力を信じ、見守ることも大切だと実感しています。どれが正解が分からないのが子育ての大変さであり、面白さややりがいでもあります。PTA活動はそういう親たちをつなぐためのものです。これからも、より多くの保護者が参加できるPTA活動を目指していきたいと思います。以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

鈴木:皆さま、ありがとうございました。それでは、この後ですけれども質疑という時間を設けてございます。どうぞ発表の内容あるいは他のことでも疑問に思うことがございましたら、皆さんから挙手をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。はい、いらっしゃいますね。では、向こうの方ですね。お願いいたします。マイク、ございますか。

龍﨑:茨城県の佐和高校の龍﨑と申します。校長先生にお伺いいたします。Wi-Fiの導入というのとても興味深く伺ったんですが、その導入に際しての予算的なものはどうしたのかということと、あとスマホを学習に利用してるということなんですが、反面、今そのスマホを学校の中の持ち込んでのルールというか、ここで使っちゃ駄目とかっていう場面も本校なんかはスマホの持ち込みは許可してるんですが、ルールを守ってっていうふうに口を酸っぱくしてる状態なんですが、そういった校内でのスマホのルールのようなものがあれば、教えていただきたいと思います。

鈴木:ありがとうございます。まず、施設費なんですけども、これは何とか安いものを寄せ集めてコストは低くしているところと、それからできるところはできるんですけども、例えば光回線についてはこれは県の予算を何とかお願いしてるところもございますが、その後の工事については、これはPTAの皆さんにもご理解をいただけるところでございます。実はまだ始めたばかりですので、使い勝手はまだもう一つなんですけども、徐々にまた増やしていきたいと考えてるところでございます。

 そして、とても大事なお話がございました。実は本校もこれについては、反対意見がございました。スマホ、携帯電話を授業のときに、必ずしまっておきなさいというルールが本校にはございました。多くの学校でそういうようにしてるんではないかと思います。ですから、そこには大変なギャップがございました。ここを乗り越えないと次世代にはつながらないという私の考えで、先生方にそこを理解していただいてるところであります。ですから、使うときとそうでないときのこの区別っていうのをきちんとつけるということ、これは全部の先生で協働してやらないとダラダラっとなってしまいますので、この辺は非常に注意をしているところでございます。

 ちょっと長くなってしまうんですけども、皆さん、「ナンバー」っていう言葉がございますよね。ナンバー1、ナンバー2、Noって書きますけど、あれ、英語のスペルを書いてみるとNUMBER、Oなんて1つもないんですよね。何でNoって書くのかな。私なんかは若いときからずっと疑問に思ってたんですけども、インターネットの時代になってこれはもうあっという間にあっさりとそれは分かりました。ナンバーの語源がラテン語のヌメロというところからきてるんですけども、こういうようにもう知ることってのは、機械を使って当たり前の時代になってるっていうことです。つまり、もう物知りが頭のいい人の代名詞になるなんて時代はもう終わったと考えています。知るっていうことは、もうこれはどんどん知るっていうことは道具として使ってもらって、でもその後の考えるっていう力、これこそが人の手によるものだという考えです。

 ですから、知ったら授業が終わり、調べたら終わりではないんですね。あくまでもこのWi-Fiを使って調べ学習をしたら、その調べたものを使った考える時間を必ず設けるということを焦点にしてるということを、先生方にはお話してきております。これからまた進めるところでございます。お答えになってましたでしょうか。

龍﨑:はい、ありがとうございました。

鈴木:ほかにはいかがでしょうか。じゃ、どうぞよろしくお願いいたします。

厚木東高校:神奈川県厚木市の厚木東高校です。進路委員会というのがあるんですが、1日に2校の見学ができて良かったですという意見がありますが、進路委員会は年間に何校ぐらいの大学を見学しているのでしょうか。それから、学校見学以外には年間を通してどんな行事をされているのでしょうか。

鈴木:それでは、長谷川副会長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。

長谷川:こんにちは。長谷川でございます。厚木東高校のご質問にお答えさせていただく前に感謝を申し上げたいと思います。私、これしか仕事がございません。ありがとうございます(笑)。ただ飲んで、こうやって帰るだけでしたので良かったです。まず、大学のほうは年間で1校のときもあれば、2校のときもございます。それはその年によってちょっと違いますので、方面も違います。先ほど写真で出たように神奈川大学に行ったりもしてますので、遠いときにはやっぱ1校になったりとかっていうことになります。

 それから、そのほかに進路ということで、進路の講演会を開催したりいたします。年に2回か3回ぐらいやるようなかたちになっております。以上でございます。このような回答でよろしかったですか。

厚木東高校:はい、どうもありがとうございます。

長谷川:ありがとうございました。

鈴木:それでは、お時間の関係でございますが、もうお一方ぐらいご質問いただければと思うんですが、どうでしょうか。はい、では、お願いいたします。

綾瀬高校:神奈川県の綾瀬高校です。よろしくお願いいたします。実は私、長狭高校の卒業生なんです。(拍手)なので、大変光栄に思いながらお話を伺っておりました。そして、学校設定科目で生活と医療福祉ということをされてるということで、大変素晴らしい取り組みだというふうに思ったんですが、いつごろからこの取り組みをされているのかということが1点と、もう一つアンケートの内容も大変良いアンケートの内容だというふうに思ったんですが、まさしく家庭教育をどうしていくかというところに視点を置いたアンケートだというふうに思ったんですけれども、その家庭教育に対してのフィードバックといいましょうか、それは押し付けるものではないので、それぞれのご家庭で気が付いていただくという内容かなとも思うんですけれども、どのようにそのアンケートをフィードバックをしたのかということを2点お願いいたします。

鈴木:ありがとうございます。卒業生の方がいらっしゃったということですけど、私も卒業生でございます。だいぶ年は違うと思います。最初の質問ですけれども、生活と医療福祉、この教科は3年前に本校の医療福祉コースが設置されましたので、それと同時に行われております。ですので、今年が4年目ということになります。

 それでは、この後のそのアンケート等につきましての回答ですけれども、会長からお願いいたします。

織田:ご質問ありがとうございます。アンケートは大体行事後1週間以内に配ります。そして、進路視察等は行事前にアンケートを配ったりしております。チェック等なんですけども、一度アンケートを取りまとめ、役員会にかけまして、あとまた実行委員会の中でお話をさせて、役員さんたちのお話を聞いて取りまとめております。以上でございます。

鈴木:ありがとうございました。ちょうどお時間となったようでございます。本校のお話を聞いていただき、またたくさんご質問もいただきました。本当にありがとうございました。また、これからもどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

益田:千葉県立長狭高等学校の皆さま、素晴らしい発表をありがとうございました。ここで、ただ今の発表に対してご助言をいただきます。千葉県立長狭高等学校の発表に対して、神奈川県立西湘高等学校長、森加津子さま、ご助言をお願いいたします。

森:ただ今ご紹介いただきました神奈川県立西湘高等学校校長の森と申します。ちょっとだけ学校の紹介をさせていただきますと、神奈川県の西部にあります小田原市にあります全日制普通科の高校です。創立は今61年目ということですので、長狭高校さんに比べるとまだまだひよっこというような状況ですけれども、1年生が9クラス、2年・3年は8クラスで、1,000人弱の生徒を抱えている学校でございます。

 本日の発表でございますけれども、本当に校長先生のリーダーシップとそれから子どもの成長をサポートしていただいているPTAの皆さまの様子というのが、非常に良く伝わってくる発表であったなというふうに感じております。それから、協議の中でもいろいろなご意見を出していただいて、本当に素晴らしいというふうに感じております。私のほうからは助言というよりは感想中心になってしまうかもしれませんけれども、少しお話をさせていただきたいと思います。

 まず、学校の概要についてでございますけれども、全国で2番目の組合立の旧制中学校ということで、地元の非常に強い思いから創設されたということ。その延長線上に今回の発表には直接お言葉としてはなかったんですけれども、コミュニティー・スクールとして指定されているという状況であるということで、その創立のときの精神というのが今にしっかりとつながっている、根付いている、そういう学校だなというふうに思いました。それから、亀田総合病院、もう本当に全国的に有名で、私もいろいろなところで話を聞いたことがありますけれども、その病院の状況とそれから医療福祉コースが創設されたという、そこにもやはりつながりがあるのだなというふうに感じておりまして、もう地域のつながりというのが学校のミッションを明確にしている、そういう学校というような印象を受けました。実は神奈川県でも県立高校改革というのを今進めておりまして、31年度には全県立高校がコミュニティー・スクールとなる予定でございます。こういった視点からも地域一体型の学校運営という部分とPTAとのつながりというのが、参考になってくるのではないかというふうに感じました。

 続きまして、アンケートについてです。先ほどもちょっと質問にもございましたけれども、家庭教育というテーマの下、アンケートを実施をしたという報告がありました。できればいつの時期にどのぐらいの対象で、回答率ですよね、どのぐらいだったのかというようなことを、少しご紹介いただければ良かったのかなというふうに感じました。一般的に皆さん、いろんな場面でアンケートはあるかと思いますけれども、アンケートの方法としては選択肢で回答するもの、それから今回のアンケートのように記述式で回答するものの2種類があると思います。選択式の場合については、回答する立場からは非常に気楽に回答できて、全体の傾向がつかめるという利点があると思います。何か1つの方針を何ていうんでしょうね、出すために、そのバックデータとしてこういったアンケートをするということも、手法としてはよくあるかと思います。

 ただし、今回については、そういったことではなくて、記述式という方法を取っていらっしゃいました。回答する側としては結構手間がかかるけれども、うまく選択肢には納まらない本音の回答というのが期待できる、そういう方式かなというふうに思っております。例えば、先ほどの選択肢、質問の1つによく話し合っていますか、家庭で子どもの進路についてよく話し合っていますかという質問がありましたけれども、この「よく」という言葉をどういうふうに捉えるかというのが、多分一人一人の保護者によって違うのではないかと思います。

 毎日なのか、週に数回なのか、それとも月に何回か。そういうところがあると思いますけれども、そういう違いは多分出てくるとは思いますけれども、そこにこだわらずにあえて自由に書いて、記述式で書いていただいたというところに、今回の方式の意図を感じたところでございます。具体的にはその結果を元に、今まで取り組んできたPTA活動との関連性を考えるというかたちで報告をいただきましたけれどもさらに一歩進んで、これらの回答をベースにして、今までの取り組み内容にプラスアルファの要素を入れていくということも考えられるのではないかというふうに感じました。

 例えばでございますけれども、2番にありました食事作りとか健康管理についてという話について、多くの生徒が卒業後に家を離れて1人暮らしを始めるという報告がありました。そういう学校の現状があるというふうにご説明をいただきました。余談になりますけれども、神奈川の高校で高校を卒業する生徒が1人暮らしをするっていう率は、そんなに高くないと思います。本校の担任のほうにちょっと聞いてみたんですけれども、多分1桁ぐらい、クラスで1桁ぐらいじゃないかというところがありますので、これは神奈川との大きな違いかなって思います。

 何が言いたかったかというと、1人暮らしをするという近い将来を見据えての食事作りとか健康管理ということを子どもたちに考えさせるのであるとすれば、その料理講習会の内容、今回具体的にどういう料理を作られたかっていうことは分かりませんけれども、例えば1人暮らしをするための1人分のレシピであるとか、あるいは1つのなんか食材を使って複数の料理を作ってみるとか、今作り置きのレシピとかって結構ありますので、そんなものに挑戦してみるとか。あるいは、インスタント食品などをうまく使って料理をしてみるとか、子ども達にそういうことが教えられるような、そんな内容の料理講習会にしても、先ほどのアンケートの結果とうまくつながっていくのかなというふうに感じました。

 それから、進路については、大学の視察見学会というのが紹介されていましたけれども、実は私も今回こういう立場になりましたので、事前に高校さんのほうのホームページも見せていただいたんですが、そこに進路講演会ということで実施の報告がありまして、その内容は進学マネープランと書いてありました。つまり、進学するに当たって、奨学金がどうなっているかとか、あるいは必要経費がどうなのかっていうことに特化したかたちで説明会があったようです。これは学校さんのほうの主催なのかもしれませんけれども、恐らく保護者としてもとても関心の強いところではないかなと思います。こういったところでも、保護者の目線の有意義な企画ではないかなと感じたところです。

 それから最後、3番目の学校での情報がなかなか伝わりにくいというお話については、これは本校でも同じような状況がございます。既にやってらっしゃるのかどうか分かりませんけれども、神奈川県の高校では割とやってるところが多いのかなというふうに思います。事前に保護者の皆さまに登録をしていただいて、簡単な連絡のメールを送るというサービスがございます。例えば先ほどの広報誌ができて、子どもたちに持たせましたよっていうようなことをメールで送るような、そういうサービスをすると保護者のほうからも子どもに話がしやすいというようなこともありますので、そんなこともあるでしょうし、あるいはホームページなどを活用しているところもあるかと思います。個人情報の取り扱いというのには十分に注意しなくてはいけないと思うんですけれども、これからの時代、先ほど校長先生もおっしゃっていましたけれどもSNSをうまく活用していく、そういう方法も十分考えられるのではないかと思います。

最後になります。何よりも取り組んでいただいているPTAの皆さまが、楽しみながら進めているということが素晴らしいというふうに感じました。よくPTA活動は保護者の部活動だっていうふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。参加は必須ではありませんけれども、参加することで得るものは大きい。特に高校の場合は通学範囲が広がりますので、その分保護者のつながりというのは薄くなりがちになります。お互いのコミュニケーションを深めるためにも、こういった活動というのは非常に有益であるというふうに考えております。長狭高校の皆さまにも、これから学校とPTAとの連携をうまく図っていただきながら、充実した活動を進めていっていただきたいと思います。どうも発表ありがとうございました。(拍手)

益田:森さま、ありがとうございました。千葉県立長狭高等学校の皆さま、お席にお戻りください。(拍手)。

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