第63回 関東地区高等学校PTA連合会大会 神奈川大会

平成29年7月7日(金)8日(土)
関東地区高等学校PTA連合会 神奈川県立高等学校PTA連合会

第3分科会 「生活指導とPTA」

1部 2部
発表者
神奈川県
所属校
神奈川県立二宮高等学校
役 職
PTA 副会長(平成28 年度)
氏 名
小澤 通代(オザワ ミチヨ)
発表テーマ
「自分で自分の身を守る」DIG 体験

堺:それでは、後半の発表に入ります。後半の議長、発表者、助言者の方々をご紹介申し上げます。議長の神奈川県立二宮高等学校長、佐々木修様です。提案者の神奈川県立二宮高等学校PTA副会長、小澤通代様です。パソコン操作は神奈川県立二宮高等学校副校長、中津川雅則様です。助言者の神奈川県教育局学校支援課グループリーダー兼指導主事、岩井葉子様です。それでは、議長の佐々木様、ごあいさつの後、進行をお願いいたします。

佐々木:皆さん、こんにちは。

いきなりコンピューターが言うことを聞かなくて、10分ほどちょっとお時間を頂きまして、ご心配お掛けいたしました。本校、あまり新しい機材ではない機材を使っておりまして、時々こういうことあるんですけれども、ちょっと出だしをびっくりさせてしまいまして申しありませんでした。昨日の羽鳥さんの話にも、ギョーザの話で話題を取ってというような話ありましたけども、ちょっとそういう面ではきっかけになって話しやすくなったかなっていうふうに思っています。

 半分ぐらいですか、神奈川の関係の方がいられるかなというふうに思いますが、残りの方、他県からわざわざいらしている方だということで、ちょっと神奈川の状況と、本校二宮高校がどこにあるかみたいな話をちょっと私からさせていただいて、その後、発表に移らさせていただきます。

 神奈川県ですけれども、143校ほど県立高校があります。それで、その中に学年制の普通科、単位制の普通科、それから先ほど甲府工業さんもそうですけれども専門高校というような形で入ってるわけですけれども、神奈川県の高P連としては、これが神奈川県なんですが、これを10地区に分けていろんな地区で活動をしております。本校は二宮高校なので、二宮、ここに位置するわけですが、これ10個に分けてあって、大体この辺が県西、県の西側ということで。それから、秦野とかありますが、ここは秦野平塚っていう地区で、県の西側から2番目の地区のところで本校は活動してるというような状況にあります。

 この地区の中には全日制の高等学校が13校あります。定時制が2校。それから、中等教育学校が1校あるというような状況になっています。本校は二宮高校ということで、地図にもありますが、二宮町に1校だけある高校ということです。この二宮町ですが、人口が約2万8,000人です。地図に載ってますが、相模湾に面しておりまして、海に面しているところが一番東西で長い所です。これで3.3キロあります。北に行くにしたがって少しずつ狭くなっておりまして、南北方向には3.8キロあります。面積としては9平方キロメートルということです。だから、数字で言っちゃうと「あ、そんなに小さいのかな」という感じですね。神奈川県の市町村の中で3番目に小さい自治体ということです。

 海に面しているところに東海道線が、東京から神戸までずっと行っている東海道線が走っています。それから、町の中を縦方向に秦野、上に秦野市ってありますけれども、秦野市に向かう県道が真ん中に1本通っているというような状況です。本校はこのちっちゃい町のちょうど中心辺りに学校がありまして、ほとんどの生徒は、学校に集まってくるのにバスを利用したりとか、電車を利用したり、中には徒歩で来る生徒もいますけれども、あと自転車で来たりとかいうような形で通学しています。

 生徒の8割ぐらいが大学・短大・専門学校に進学するというような学校で、ここでは「生徒指導とPTA」という分科会ですが、生徒指導関係の特別に生徒を指導しなきゃいけないっていうような案件は、大体年間に10件ほどのまあ落ち着いている学校です。ただ、先ほども言いましたが、町の中を南側に東海道本線が走っていまして、縦に県道があるという関係で、生徒は電車に乗ってくるか、もしくはバスに載ってくるか、でなければ自転車で来るかということが、地域の方から自転車の乗車マナーが悪いであるとか、それからバスの乗り方、電車の乗り方、こういうふうにしたほうがいいんじゃないかというようなマナーに関する指摘を非常に多く受けているのが現状です。自転車の右側通行であったりとか、自転車の2台以上並走しているとか、それからバスや、これも言いましたね、乗車マナーが良くないというようなことですね。

 本校の生徒指導として、じゃあどういうことができるかなというのを考えたときに、やはり地域を理解して、地域とともにあるんだということを生徒によく理解させることが大事じゃないかなということで、それには何がいいかなということで、マナー向上、それから防災教育の必要性も考えて、地域のことも分かる、それから防災教育のことも含めてということで、ここにあるようなDIGの研修を行ったらどうかということでやることになりました。

 結果的に、登下校のここは生徒が通行するのに危ない場所だなとか、それからこういうふうに地域とつながってるんだっていうようなことを、生徒がもう一度再確認するというような効果があったかなというふうに思っています。こういう経緯があって、DIGの研修を行ったということを分かっていただければというふうに思います。

 それでは、発表に入りたいと思います。

小澤:皆さん、こんにちは。神奈川県立二宮高等学校PTAです。私は前年度28年度の副会長をやらせていただきました小澤と申します。よろしくお願いいたします。

 初めに、今校長のほうからも話がありましたが、長寿の里二宮町の高台に位置し、霊峰富士をはるかに臨む二宮高校について紹介したいと思います。

 二宮高校は1978年、昭和53年に、今神奈川県で3番目に小さい市町村だっていうのは、すみません、私も今知ったんですけど、に唯一の県立高校と設立され、今年度40期生を迎えるに至りました。毎年卒業生の約8割が大学・短大・専門学校に進学しています。

 特色あるクラブ活動としては、2012年に続き今年度も全国高等学校総合文化祭に出場する相模人形部、2015年に設立された女子サッカー部があります。昨年度は陸上部、軟式テニス部も関東大会に出場いたしました。

 PTA組織は本部を筆頭に学年、厚生、広報、成人の4委員会で構成されております。本部は青少年健全育成キャンペーン、これは県のほうからので年に2回、夏と冬に行っております。

交通安全指導。夏休みに行う学校環境整備事業への協力、ペンキ塗りとかワックスがけ等、先生方と協力してPTAが行っております。常置委員会、PTA総会の開催、各委員会行事への協力などを行っております。

イシカワ:平成28年度学年委員長のイシカワです。学年委員会の活動を紹介します。自転車点検を年に2回、毎回隅々まで厳しくチェックします。大学見学会の企画、運営。平塚秦野地区の交通安全大会への参加。文化祭における模擬店の出店。28年度はチキンナゲットを販売しました。

小澤:厚生委員会は、春、夏、秋と年に3回、花壇の花植えをしています。文化祭ではホットドッグを販売しました。伝統の味に毎回加えるソースとか、今年はチョコレートソースとかをいろいろ替えて販売しております。冬の球技大会時では、温かい豚汁を大鍋7杯、1,200~1,300食ぐらい作って提供しています。

カナバヤシ:平成28年度広報委員長のカナバヤシです。広報委員会は二宮高校PTA会報を年に2回発行し、100号を発行することができました。年に1回の職員紹介号は、毎年保護者のみならず生徒にもご好評いただいております。学校行事にはフットワーク軽く、校内を飛び回って写真撮影、ネタ集めなどをしております。

オカベ:28年度成人委員会委員長のオカベです。成人委員会では、文化祭時にはニノコウ饅頭を販売しています。体育祭では冷たい麦茶を提供し、生徒だけではなく保護者にも提供しています。また、PTA社会見学を実施し、毎年いろいろと案を練り、保護者に好評です。

小澤:では、DIG体験についてご説明いたします。今回のテーマであるDIG体験ですが、高校生になって行動範囲が広がった子どもが登下校時に災害に遭った場合、適切な行動を取り、無事でいられるかという保護者の小さな心配から始まりました。

 ある常置委員会の帰りの出来事。

オカベ:今日の常置委員会の時の地震、びっくり。意外に大きかったよね。

A:そうそう。怖かった。

イシカワ:ほんと、うちの子、二宮駅から自転車で通学してるんだけど、大きな地震が来たらどうするのかしら。

オカベ:家から学校までの距離もあるし、電車・バスを使うし、行動範囲が広くなって心配も増えるわよね。

A:登下校中に地震が来たら、ほんとどうするのかしらね。

一同:学校にいれば安心だけど……。

B:こんな時に地震が来たらあなたはどうする?

一同:どうするの?

B:今度、学校とPTAの人たちでDIGをやりますよ。

一同:DIG? DIGって何ですか。

小澤:DIGとはDisaster Imagination Game、災害図上訓練の具体的手法の一つです。本当は実際に歩いて危険箇所の把握をするのが困難なため、地図を使って地域で大きな災害が発生した事態を想定し、地図上に書き込んでいく訓練のことです。1997年に考案され、ハザードマップの役割も果たしています。

 なぜこの時期にDIGが必要なのか。甚大な被害を出した東日本大震災から6年たち、昨年には熊本でも巨大地震が発生しました。いつどこで起こり得るか分からない災害。行動範囲も広がり、登下校時に災害に遭った場合、果たして子どもは自分自身で安全を確保できるのか。保護者の視点からも、通学路や学校周辺の危険箇所の把握、避難場所の認識等、いま一度考える機会の必要性を感じました。そこで今回、二宮町防災課の職員の方々のご協力も得て、先生、生徒とともにDIGを実施いたしました。

一同:ふーん。DIGってそういうことなんだ。

オカベ:でも、二宮町ってどこが危ないの?

カナバヤシ:駅の周り? あの辺、道路狭いから危なそうだよね。

イシカワ:二宮高校だってグラウンドまでの階段長いし、急だし、結構怖いよ。

C:二宮町の地盤ってどうなんだろう。前、地震が遭ったときに、テレビで震度5って出てびっくりしたよね。

カナバヤシ:小田原厚木道路も通ってるし、あれ壊れたら帰宅するの無理かな。

一同:心配なことがたくさん。DIGで解決しなくっちゃ。

小澤:DIG実施までの流れ。平成26年度に各地で地震が頻発しており、PTAも何かの形で防災に参加したいという考えを学校に要望しました。学校側から来年度、PTA、生徒、教員でDIGを実施したらどうかの提案を受けて賛成。神奈川県10地区の中のPTA組織、平塚秦野地区大会でこの取り組みを発表することを決定しました。平成27年度に学校とDIGの内容について検討。学校がDIGの講師を二宮町防災課に依頼していただきました。それ以前に生徒の防災意識を調査。アンケートの集計もいたしました。PTA(委員会)から参加者を募集しました。

 DIG実施。平成28年1月15日。二宮高校会議室においてDIGを実施しました。DIGの参加者は65名。生徒、保護者、先生で6班のグループに分かれ、各班ごとに出されたテーマに基づいて話し合いをしました。話し合いに先駆けて二宮町防災課の方々から、今現在の町の防災状況、防災マップを使って危険箇所の指摘、災害に遭った場合の対処法の話などを聞きました。災害発生と同時にしなければならないこと。身の回りの防災状況。災害場所から学校に戻るときの安全なルートの確認。各班ごとに意見の交換をしました。

 では、ここで実際に当時のDIGの映像をご覧ください。

<動画上映>

小澤:今回学んだことは?

オカベ:二宮町に住んでいるわけじゃないんだけど、少し町のことが分かったわ。

A:帰ったら子どもと連絡手段とか話してみるわ。

イシカワ:海が近いけど、二宮高校にいれば津波の心配はないのね。

C:二宮高校って今までも防災対策として乾パンや水を備蓄してたんだけど、今年の1年生から一人一人防災リュックがあるって知ってた?

D:これです。

C:さすが先生。これが防災リュックです。

D:これです。

B:この中には水や乾パン、ワカメご飯など、1日3食分の非常食と寒さ対策として携帯カイロや簡易寝袋が入ってるんだよ。ちょっとしたことだけど、本当に安心だね。

カナバヤシ:起こってからでなく起こる前に考えるのって必要なのね。

オカベ:生徒とともに勉強になりました。今後も続けてくださいね。

小澤:今回のDIGでは家族との連絡手段、LINE等も含め、常日頃からの心掛けの重要性を保護者のみならず生徒も再認識した貴重な時間となりました。保護者の方々との意見交換や考えを聞けたのも有意義だったという生徒の意見もありました。また、今まで生徒と一緒に参加する行事がなかったので非常に良かった、まじめに防災について考えている生徒が多かったという保護者の意見もありました。参加した各クラスの防災委員は、クラスに戻りDIGの内容を報告しました。

 平成28年も1月17日にDIGを行いました。今後もPTA、学校で防災教育を行い、自分の身だけでなく、周りの状況を見、考え、お互いに助け合うことのできる子どもになってほしいと思います。今後は、保護者も役員だけでなく一般会員も参加すること、DIGの地域も二宮町でなく、周辺自治体も必要になることが課題だと思っております。せーの。

一同:自分で自分の身を守る。

小澤:以上、二宮高校でした。最後までご清聴ありがとうございました。

佐々木:それでは、質疑の時間としたいと思います。何かご質問ありましたら、お願いいたします。その際、学校名とお名前をよろしくお願いいたします。何かありましたら挙手をお願いいたします。よろしくお願いします。

ミズシマ:大変貴重な講演ありがとうございました。逗子高校のPTA会長のミズシマと申します。併せて、私、防災の専門家でありまして、今のようなことは大変、学校でPTAが主催で取り組まれてやられているっていうことに非常に感銘を受けました。

 ここ3年ぐらい前から、神奈川県の教育委員会のほうからも8校ずつ、予算の関係でしょうけども、防災に対しての教育ということで依頼を受けております。そういったところにも各高校、手を挙げていただいて、そして予算化されておりますので、専門家を招いての講演、指導を受けられることを熱望しております。特に神奈川県の場合は相模湾を抱えてまして、東南海地震、相模トラフ、これが近々起きるという大きな災害を抱えております。そしてまた、先ほど来からの講演の内容のように、富士山は非常に、見ることには非常に皆さんいいんですけども、災害が起きるとは思っておられないでしょうけども、地震よりも南海トラフ、相模よりも、富士山の噴火がここ10年以来には起こり得るであろうということで、今環境省のほうでもセンサーを非常に増やして調査してるところですけども。そういった意味でも、やはり各学校におかれましても、こういった防災教育、自助・共助・公助っていうのがありますけども、まず自助・共助、これを取り込まれて、そこに題材にありましたように、自分で自分の身を守る、自分の命は自分で守るんだよということを肝に銘じて、防災に意識を高めていただければと思います。本日のこの貴重な講演をぜひとも皆さん、学校に戻られましたら、防災に対しての意識、そういうのを今日を機会に、家族同様に自分の身を守ることについて広げていただければと思います。本当にありがとうございました。

佐々木:どうもありがとうございました。その他はどうでしょうか。

マツカワ:神奈川県立菅高校のマツカワと申します。今回の発表とても素晴らしかったと思います。疑似体験という参加型、皆さん参加型のそういうイベントっていうのはとても勉強になることだし、私たちもぜひ学校に持ち帰って参考にさせていただきたいと思いました。

 その中でちょっと疑問に思ったことが、まず今年の1年生からリュックの購入をということでしたけれども、リュックの購入のお金の出どころをちょっとお聞きしたかったのと、あと普段の管理の方法、例えば各クラス個人持ちで椅子の後ろに引っ掛けておくのか、小学校の時の防災ずきんのように個人で保管しているのか、それとも学校のまた別の場所で保管されているのか、どういう保管の仕方をしているのか。また、上の学年の方はまた違うリュックでないものをご用意されているかと思いますけれども、そちらの取り扱いの方法についても教えていただければと思います。

中津川:それではお答えします。これ、発表が去年だったので、今の2年生からリュックがあるんですけれども、防災倉庫というのが一つの教室の半分ぐらいを使って用意してあります。今の3年生については防災用に水と、それから乾パンとっていうふうに、1人ずつのリュックではないんですけれども保管してあります。教室にあるっていうことはないです。

 すぐに……、逃げるとき持っていけるかな。そのときにすぐに出せるようにはしますけれども。値段としては3,800円ぐらい、1,800円か、1日分なんだよね、あれ。そんなところです。県の指針としては、3日分の食料と水を確保しろというような指示は出ています。そのようなご回答でよろしいでしょうか。

マツカワ:お金の出どころというのは?

中津川:お金の出どころは学年費です。頂いております。だから、お辞めになるときにはお返ししています。

佐々木:よろしいでしょうか。時間もありますので、あと、もしいられるようでしたらもう一方。

アカイケ:今日はありがとうございました。埼玉県立所沢西高校の副会長のアカイケと申します。楽しい寸劇で、役員の方々のすごい結束が固いんだなということがよく伝わってくる発表でした。

 校長先生にお聞きしたいんですけれども、先ほどの話の中で、自転車マナーですとかバスの乗車マナーで苦情を受けることがあるっていう、課題としてお話しされていたかと思うんですが、そのことが例えばマナー向上や防災教育の地域を理解するきっかけの一つとして、DIG体験を行われていることで何か変化とか、生徒の間に変わってきているようなことがあるかどうかっていうようなことをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

佐々木:このDIG訓練をやった生徒っていうのは全員ではありませんので、直接的にっていうことはないんですけれども、やはりこのDIGに限らず、地域のいろいろ行事にボランティアとして参加したりとか、そういうことによって意識として顔が近くなる、それから地域の方からも気楽に声を掛けてもらえるというようなことで、改善してきてることは間違いないです。ただ、このDIGでがらっと180度急に良くなったっていうようなことではありませんけれども、DIGに限らずいろいろな地域の行事、ボランティア、そういうものの関係を深めて改善してきてるというのが現状です。よろしいでしょうか。

 それでは、質疑の時間はこれで終わりにしたいと思います。

堺:ありがとうございました。これで後半の発表、研究協議を終わります。神奈川県立二宮高等学校の皆さま、素晴らしい発表をありがとうございました。

 ここでただ今の発表に対してご助言を頂きます。神奈川県立二宮高等学校の発表に対して、神奈川県教育局学校支援課グループリーダー兼指導主事、岩井葉子様、ご助言をお願いいたします。

岩井:皆さま、こんにちは。ただ今ご紹介にあずかりました神奈川県教育委員会学校支援課県立学校生徒指導グループの岩井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私ども県立学校生徒指導グループと申しますのは県立高校、中等教育学校、県立特別支援学校の生徒指導業務を担当しております。本日は助言などというのもせんえつなんですけれども、生徒指導の観点から感想など述べさせていただきたいと思います。

 まず、二宮高校さんの発表、女優さん、男優さんも1人いらっしゃるわけですが、みなさんの寸劇を交えられて非常に工夫されていて、楽しく興味深く拝見いたしました。大震災以降、防災について非常に意識も高まる中で、神奈川県でもDIGというのは先ほどもありましたが、少しずつ各学校取り入れられているところですけれども、この二宮高校さんのようにPTAが主催で先生方、生徒と一緒に保護者の方が取り組んでおられると。こういう活動の例は、私、今回初めて拝見いたしました。大変先進的な取り組みだと思いまして、ここにいらっしゃる各学校の関係者の方も含めまして、参考にしていただければというふうに感じました。校長先生のお話にもございましたけれども、防災にプラスして交通安全指導ですとか、公共交通機関の乗車マナーアップ、そういった生徒指導面でもプラスになるようにこういう活動を取り組まれているということでした。

 そのような問題、どの学校でも課題になっているわけでして、先ほどの発表の甲府工業さんでもマナーアップ運動というのを取り組んでいらっしゃる。そして、二宮高校さんでは自転車点検ですか、それもPTAの方が非常に協力してやっていらっしゃると。こういう活動を本当に、教育委員会生徒指導グループとしてはありがたいことだなというふうに実感いたしました。

 もう少し生徒指導全般に広げてお話しいたしますと、私どもは日々いろいろな学校から生徒指導の案件に関わるご相談を受けるわけなんですけれども、ご相談の内容は本当にさまざまでして、不登校であったり、いじめや暴力もありますし、盗難事件があったり、デートDVっていうのも最近は増えておりますし、お子さんが家出してしまったとか、本当にさまざまな課題があるわけです。特に最近の傾向としましては、スマホが普及しておりますのでSNS絡みのトラブルですとか、スマホを使った盗撮事案なんていうものも、やはり高校生の間でも増えているわけです。

 私たちの生徒指導という仕事の性質上、どうしてもトラブルが起きた後の事後指導が中心になってしまうんですけれども、問題がこじれてしまうっていうのは、教員と生徒もそうですし、保護者とお子さまもそうなんですが、やはりコミュニケーションが日頃なかなか取れていないというときに、非常に問題が長期化して解決が難しくなるという傾向がございます。ですので、保護者の方とお子さまのコミュニケーションというのは、生徒指導の課題の未然防止あるいは早期解決という点からも、大変重要なことだというふうに日頃から思っております。

 といっても、高校生ですので会話を、コミュニケーションをといってもなかなか難しい部分があろうかなと思います。部活動だ、塾だ、アルバイトだということで、なかなか起きてる時間に顔を合わせることも少ない。生活時間が保護者の方とはすれ違っていて、声も掛けられないというようなこともあろうかと思いますし、会ったら会ったで、家にいたらいたで、どうしても駄目なところが目に付くわけですから、勉強しなさいとか、部屋片付けなさいとか、早く起きて学校行きなさいとか、そういうお小言が多くなるわけですよね。それに対して子どもたちは大抵「今、勉強しようと思ったのに、言われたからもうやんない」とか、「今起きるとこだったのに、もうやんなった、学校行かない」とかぐずぐず言うことがあるわけですね。これは教員と生徒の間でも常々同じような会話を繰り返しております。

 私たち教員というのは、本当にできないところを何とかできるようにしなければっていう仕事柄、どうしてもできないところばかり注目してしまいまして、これは駄目だ、できないっていうことばかり言ってしまうんですが、もちろんそれではいけないっていうことは教員も分かっていて、できるところは当たり前っていうんじゃなくて、そこに声を掛けていかなきゃいけないということはもちろん分かっているんですけれども、なかなかそううまくいかないと。これは恐らく保護者の方も同じことを感じていらっしゃるんじゃないかと思います。

 私は今日の二宮高校さんの発表拝見しまして、DIGというのが防災で重要だっていうことはもちろん当然のことなんですけれども、さらに家族の会話のきっかけとして非常に良い話題なのではないかというふうに感じました。

 いざというときどこへ避難するとか、家の周囲、学校の周囲、どこが危険なのかとか、どうやって家族と連絡取る、LINEっていう言葉も出てたかもしれませんが、そういう連絡どうするのか、そういうようなことのお話ですと、家族でも、やはりお子さまも「関係ないよ」ということではなくて、話題に乗ってきてくれるんではないかなというふうに感じました。

 そういう防災という命に関わる重要なトピックについて、二宮高校さんのように大人と子どもが共に学び、さらにそれがご家庭に帰って、家族とのコミュニケーションのきっかけにもなるという素晴らしい取り組みだと思いますので、このような取り組みがさらにまた多くの学校に広がっていくといいなというふうに思います。ぜひ持ち帰られて、また検討していただく学校があればなということをお願いしまして、私からは以上とさせていただきます。二宮高校の皆さん、本日は本当に有意義な発表ありがとうございました。

堺:岩井様、ありがとうございました。これでこの分科会の研究協議は全て終了となりました。会場の皆さま、最後に議長、提案者、助言者の方々にいま一度盛大な拍手をお願いいたします。(拍手)

 後半の発表校の皆さま、ご着席ください。ありがとうございました。

 この後、関東大会神奈川大会の閉会式を行います。準備をいたしますので、申し訳ありませんがこのままお待ちください。

堺:これより第63回関東地区高等学校PTA連合会大会神奈川大会の閉会式を行います。それでは、閉会のあいさつを山梨県連平成29年度会長、植村武彦様が申し上げます。

植村:皆さん、こんにちは。なぜか昨日とは別人のような声になってしまいまして、横浜恐るべしというところなんですが。本日は多数の皆さま方にこのように分科会ご参加いただきまして、ありがとうございました。そして、山梨県立甲府工業高等学校、また神奈川県立二宮高等学校の皆さま方、素晴らしい発表、本当にありがとうございました。

 甲府工業高校、私、山梨県なもんですから、応援を心の中でしてたわけなんですが、特に父親が甲府工業、母校なもんですから、念じておりました。本当にいい発表で良かったです。発表中、田原俊彦さんの話が出たんですけど、工業出身ですね。その前の中学、小学校は実は私は一緒でして、実家が本当に近所でございました。

 非常に工業のやってることは、先ほどの発表のとおり、昔っからのところを守ってくれているということで、今PTAも負担軽減という名の下にいろんなことが終わりになってきているという状況がございます。実は私の高校でも以前は強歩大会が同じようにあったんですが、そこもちょっと事情でなくなっていき、そうしていくと、やはりPTAの活動というのも少しずつ目玉がなくなっていくという寂しさも感じております。そういった中で先ほど女性部のところでもかなり盛り上がりましたが、山梨県、女性部はうちもあるんですが、こういうものも守っていくのも大事だななんて思っております。

 また、創立100周年というお話がありましたが、実は甲府市内に創立100周年という、どこの学校かも書いてないのぼり旗がたくさん出てまして、何だ、これは、何なんだと。質実剛健しか分かんないですね。これで工業って分かる人はいいんですけど、分からない人は何が起こってるんだという感じなんですが、今日よく分かりました(笑)。次の100年についてもPTA中心に学校を大いに盛り上げていただければと思います。本当にありがとうございます。

 また、二宮高校様の発表、感激いたしました。DIGというのを、先ほど助言者の方のお話もあったように、PTAがやると確かに生徒、教師、地域、みんなまとまるっていう、そこの呼び掛け役としてPTAほど適役はいないのかななんていうことも思って、この手があったかというふうに感心しました。中でも一番感心したのは、やはり寸劇ですよね。寸劇、良かったです。内容も良かったんですが、まさにPTAの象徴といいましょうか、最初、奥さま方が、いわゆるPの方々がやって、最後にTが参加するという。しかも私そこに座ってたんですが、その前にここで先生がリュックをいろいろ、背負いながらまだかまだかと、もう先生のうずうず感が私のところまで伝わってくるような。共にPとTが同じ方向を向いて同じことをするということで非常に参考になりまして、まさに県内に持ち帰りたい好事例の一つかなというふう思ったところでございます。

 というわけで、閉会式でございますので、全体の閉会でございます。昨日から2日間にわたりまして、記念講演、今日の分科会、大いに学び、大いに笑った2日間だったのかななんて思っております。この皆さま方と楽しいひととき、充実した有意義なひとときを過ごせたことを、私自身非常に感謝しているところでございます。これをもちまして第3分科会および第63回関東地区高等学校PTA連合会大会神奈川大会の全ての行事を閉会とさせていただきます。どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。

堺:ご参加の皆さま、ありがとうございました。

 ありがとうございました。以上で大会の全日程を終了いたします。また来年、栃木でお会いしましょう。

 大変お疲れさまでした。お席にお忘れ物などなさいませぬよう、どうぞお気を付けてお帰りください。なお、参加されて大会冊子をまだお持ちでない方がいらっしゃいましたら、出口の受付にまだ若干数ございますので、お受け取りになってからお帰りください。

▲TOPへ