第63回 関東地区高等学校PTA連合会大会 神奈川大会

平成29年7月7日(金)8日(土)
関東地区高等学校PTA連合会 神奈川県立高等学校PTA連合会

第6分科会 学び行動するPTA

1部 2部 3部

「自己肯定感とは何かを学び、やる気の育成を支援する」

コーディネーター
株式会社東京個別指導学院 ブランド戦略室 宮坂 匡則
パネリスト
株式会社東京個別指導学院 進路指導センター長 石川 満
株式会社東京個別指導学院 個別指導総合研究所 寺田 拓司
神奈川県教育委員会生涯学習課課長 堀端 保聖
関東地区高等学校PTA連合会副会長 大木 幸夫
神奈川県相模原地区保護者
パネルディスカッション
「保護者の皆様のお悩みを解決するリアル相談会」

田中:それではただいまより第2部パネルディスカッションを始めます。ここからはコーディネーターの株式会社東京個別指導学院ブランド戦略室、宮坂匡則さまにマイクをお渡しいたしますので、自己紹介のあと進行をよろしくお願いいたします。

宮坂:それでは皆さん、こんにちは。

会場:こんにちは。

宮坂:本日はお忙しいところお越しいただき誠にありがとうございます。

ただいまご紹介に預かりました株式会社東京個別指導学院の宮坂匡則と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)ありがとうございます。第2部では悩める保護者の皆さまのお悩み相談会を行っていきたいと考えております。ひょっとするとですね、出てくる質問、内容なんですけれども、お越しいただいている皆さまのなかでも「ああ、それあるな」とお感じいただける部分もひょっとしたらあるかもしれません。そんなものを楽しんでいただければありがたいなと思っておりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

 それでは本日は悩める相談者の皆さま、本日は相模原から8名の皆さまにお越しいただいております。盛大な拍手をお願いいたします。(拍手)よろしくお願いいたします。

 そして、お悩み相談員として4人のパネリストにお越しいただいております。ご紹介させていただきます。株式会社東京個別指導学院進路指導センター、センター長、石川満。

石川:はい、よろしくお願いいたします。(拍手)

宮坂:株式会社東京個別指導学院個別指導総合研究所、寺田拓司。

寺田:よろしくお願いいたします。(拍手)

宮坂:神奈川県教育委員会生涯学習課課長、堀端保聖さま。

堀端:はい、よろしくお願いいたします。(拍手)

宮坂:関東地区高等学校PTA連合会副会長、大木幸夫さま。

大木:よろしくお願いします。(拍手)

宮坂:以上のメンバーでお送りしたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)

 それでは早速相談に移ってまいりたいと思います。一番最初の相談が一番保護者さま緊張なさるかと思うんですが、早速いきたいと思います。どなたからいきましょうか。それではよろしくお願いいたします。

保護者A:はい、ではよろしくお願いします。

宮坂:お願いします。

保護者A:先ほどの寺田先生のお話を聞いていて、娘の高校受験の頃のことを思い出したんですけど。中学校で三者面談とかがあって、そのときにその当時の中学の担任から絶対無理ですよって言われた偏差値の高校に娘、入りたいと思ってたんです。もう、その面談のときに。だけど、そういうことを言われて「どうする?」って家で話をして、「でも行きたいな」と言うから、じゃあ、私立は、ここに行きたいはずじゃなかったとは言わない、万が一のときに行ってもいいよ、というとこをちゃんと決めて、じゃあ、やってみなさいって言って受けさせた結果、入りたい高校に入れたんですね。そのときはすごいだから言われたんです。で、高校に入ることが決まって、ずっとスマホ欲しい、スマホ欲しいって言ってたので、じゃあ、いいよって。高校生になるから買おうねって言って、与えました。そしたらもう、そこからずっとスマホなんです。もう、一応うちのルールとして部屋にいるときにドアを閉め切ったりとかしないようにしてるので、「あ、またスマホいじってる」というのが丸見えなんですけど。で、何か話しかけても目は絶対こっちは見ないし。話聞いてんのかな?という感じで適当に返事したなという感じがあるんですけど。だから当然高校入れたから勉強しないんです。はい。で、私人生で初めて成績表に数字の1や2を見たんですけど。下に赤いラインとかが引かれてるのを見たんですけど。

宮坂:恐怖ですね。

保護者A:はい。もう何回も、高校って留年とかだってあるよって。せっかく入れたんだから頑張ろうよって、そういう形で、もうちょっとほんとは怖い言葉なんですけど、言ってるんですけど、はい。「分かってる」って言うだけで。試験前でも机に座った姿は一度も見ず、ずっとやっぱりスマホでした。で、そういう、何ですかね、そんな生活をしてる娘に今から何か変えられるのかな。

やっぱりやるときにはやってほしいんです。スマホも大事なのも分かるんですけど。だから朝も起きられないし。でも、頑張って無遅刻・無欠席では行かせたいと思うんで、それしかないので、成績が悪いので、はい。なので、はい、なので遅刻はさせないようにというのは大人の責任でちょっとやっちゃってるんですけど、そこは自分で起きて行かなきゃという気持ちを持ってほしいし。

宮坂:承知しました。ありがとうございます。スマートフォンばかりでやるべきことをやってないんじゃないかと、そんなお悩みになりますでしょうかね? もっといっぱい複合的に絡んでますかね。承知しました。ありがとうございます。スマートフォンの問題、とっても私どもも学習塾やってますので多く相談を受けます。ちなみにご参加いただいている今日の保護者さまのなかで、お子さまのスマートフォンについてちょっと悩んでるよという方ってどれぐらいいらっしゃいます? ちょっとで構わないので手を挙げていただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。結構多くの方がいらっしゃいますね。ありがとうございます。それではどうでしょう、スマートフォンについてご相談を受けておりますが、回答いただける方はいらっしゃいませんでしょうか。見合ってますね(笑)。

石川:じゃあ、私から。

宮坂:よろしくお願いします。では、石川さん、よろしくお願いします。

石川:じゃあ、私から。まず、高校合格おめでとうございました。大変よかったと思います。おそらくいくつかの問題が絡まってると思うんですね。まずスマートフォンの問題と、あと勉強をしてほしいのにしてもらえないというか、なかなかしないという問題と。これ2つ分けて考えたほうがいいのは、おそらくスマートフォンで忙しいから勉強ができてないというふうに思っちゃうんですけど、そうじゃないからなんですね。もともと勉強に対するモチベーションが低くければスマートフォンを禁止しても空いた時間で勉強するとは限らないですよね。テレビ見るかゲームやるかしちゃうかもしれないので、ちょっとスマートフォンの話をまずしますと。スマートフォンはそういった意味では直接勉強の敵だと思うのはやめたほうがいいかもしれません。あと、これから産業革命以来の革命と言われているITの社会のなかで生きていくのにスマートフォンを使えないのはえらいデメリットですね。さらにそこでただ機械として使えるというよりは、もう私たちが子どもの頃とか想像を絶するぐらいの情報量に彼らは接しているわけで、そのなかで嘘や本当のことを見分けるという力を知らず知らずのうちに付けていたりするわけです。仲間内のSNSかもしれないし、「2ちゃんねる」とかかもしれないですけど、これはデマだな、これは本当だな、といういわゆるメディアリテラシーを私たち以上に早い時期に付けてるという可能性もありますので、スマートフォンは一概に悪いわけではないし今後生きていく上で必要だろうと思います。

 その上でお勉強はどうしたらいいのかということについては、これまた別の話で。1つ言えるのはこのことはのちほどまたいろいろと出てくると思うんですけども、1つ言えるのは高いハードルを設けて、例えば高校入試とかで。で、それをいったん達成してしまった後に失速するというのはよくあることです。これ、よくあることだと思います。それは1回超えたんだから、まず先ほどの話じゃないですけど、褒めてあげるというのがとても大事だと思います。その上でそういうものすごく大きな成功体験積まれているので自己肯定感や自己効力感に対する目はすでにおありと思うので、新しい目標が見付かったらきっと頑張れると思うんですね。逆に言えば今新しい目標が見付かってない。この前高校入試で行きたかったって言ってる高校に当たるような大学が今ない。勉強してない理由はもしかしたらそれでスマホがあるからではないかもしれないというのは1つ言えると思います。

宮坂:ありがとうございます。他にありますか。お願いします。

大木:スマートフォンに関しては今石川先生がおっしゃった意見と全く一緒で、私も子どもがスマートフォンを使うことに関しては全く反対じゃないし。いくらやってもいいというのはちょっと語弊があるかもしれないですけど、まず何を使って、どう使ってるかってご存じかどうか、親が。あとは、親もスマートフォン買うときって結構ワクワクして買いますよね。アプリがいっぱい出てきて追いつかなくて、使い方が分からなくて結局やってもLINEと電話ぐらいで終わりませんか? でも子どもたちってどんどんアプリに対応していく技術だったりノウハウをどんどん持っていくんですね。それも親御さんが一緒に「それ、どうやって使うの?」とか、「こんなのパパたちが使わないから」とか、言われながらも教えてもらうコミュニケーションを取っていくと次のアドバイスも聞いてもらえるようになったり。

もしくは次の進学、もしくは将来に向けて話をアドバイスするときに高校のときは明確にお子さんの希望があそこの高校に行きたい、それを応援するね、という形ができたじゃないですか。今度大学なり社会に出るときに明確なアドバイスを親ができるかっていうところ。例えば家で僕が気を付けているのは結婚してもう25年ぐらいたつんですけど、「あのときが一番よかったね」という話は絶対しないようにしてるんです。それ、子どもに伝わっちゃうので、「あのときよかったね」っていったら俺のあと何年後じゃねえかと。ということは親がそう思ってるんだったら何年後から先は我慢する人生を歩むんだよ、ということを子どもに正確に教えなきゃいけない親になってしまうので、だからまずは自分が進んでいく親になるというか、大人で見せ続けることを気を付けるというか、日々そういうことを積み重ねていく会話を頑張ればいいんですよ。成し遂げるんじゃなくて、成すように頑張るようなご主人とかご家庭の中でする。そうすると子どももたぶん耳に傾けてくれるように、何変わっちゃってんの?みたいな、いうようなところが興味を持ってもらって、まず親に興味を持ってもらう、親が発信する言葉に興味を持ってもらって、どこかでそういう言葉を聞いたときに親の言葉を拾ってくれるような感じにしていくのがちょっと僕はね、そうしてるので、それがいいのかなとちょっと思いました。

宮坂:ありがとうございます。いろいろなお悩みに通じるような回答をいただきました。ありがとうございます。他に質問ございますでしょうか。何でも結構ですよ。どうぞ、どうぞ、ぜひお願いします。

保護者B:よろしくお願いします。悩める保護者として相模原から来たんですが、先ほどの寺田先生の講演聞いたら悩みが全て解決されてしまいました。質問がないと言うとここに出た意味がありませんので、1つちょっと質問させていただきたいと思います。今ほどスマホの話も出ました。親のアドバイスという話も出ましたけれども。うちも1人娘で小さい頃から本当に両親で手塩にかけて育てた親の思い出はありますが、やはり中学あたりからですかね、普段からあまり行動に目標が見られないと言いますか、何を目標に生きてるのかなと。親は小うるさく言うんですけれども、なかなかそれは子どもには伝わらないと。そしてまたもう1つの質問になるかもしれないんですが、結構だらしないと言いますか、食べたら食べ放し。物を出したら出し放しで片付けられない。そういったところでかみさんはよく「普通にしなさい」と言うんですね。そうすると、子どもは「普通ってなあに?」。「普通が分からない」。小さい頃からなんかそんなこと言ってて、かみさんブツブツ言いながら「まったく誰に似たのかしら」って。「俺かな?」と思いながらね。先ほどの親の遺伝と言いますか。そんなところですね、2人のやり取りを見ながら、どう親として、父親としてアドバイスをしたらいいのかなというところをちょっと悩んでおります。先ほどの講演でも答えはあったのかと思うんですが、やはり子どもを思う親の気持ちはたぶん皆さんも一緒だと思うんですけれども、ちゃんとしてほしい、普通にしてほしいと。目標を持ってほしいと。そういうところがどうもうまく両親から伝えられないと。親としてそのへんの子どもの将来を見たアドバイス、どのように伝えたらいいのかを改めてになるかもしれませんが、アドバイスいただければと思います。

宮坂:ありがとうございます。お子さまの目標、夢というようなものになりますかね。あとは生活習慣のお話が、相談承りましたけど。どうでしょうか。お子さんがいられてる皆さんでお子さまが夢や目標を持って生きてるぞというふうに感じられる保護者さまはどれぐらいいらっしゃいますでしょうか。ちょっとやっぱり少ないですかね。ありがとうございます。では、このあたりについていかがでしょうか。

寺田:じゃあ、はい。

宮坂:はい、寺田さん、お願いします。

寺田:このぐらいの歳のお子さん方で夢があって、これやりたい、あれやりたい、だからこれに向かって頑張ってます、という子が何%いるかというと半分もいません。持ってなくても当たり前だと思ってください。小学生の頃は確かにプロ野球の選手になりたいとかいろいろ言ってましたよね。ケーキ屋さんになりたいとか。

でも、だんだん大きくなっていくと現実的なものも考え出すようになる。反面社会のこともあまり知らないわけですよ。そうすると、夢というのがもともとは身近に目に触れるものだけが夢だったのが、だんだんそれはちょっと夢物語なのかなと思い出してくる。だけれども社会のところがよく見えない。そうなると夢が見えづらくなる。持ちづらくなるという状態が起きます。お預かりしてる生徒さんでも、もう会うたんびに言ってることが全然違う子っていますよ。

宮坂:いらっしゃいますね。

寺田:君、先月これやりたいって言ってたよねって。今月はこれなの?

宮坂:日替わりで変わりますね。

寺田:それはなぜかというと、成長期なんです。だんだん社会との関係が築かれていくので新しい刺激。例えば高校でどっかの学者の先生の素晴らしい講演を聞いた。だから例えば科学者になりたいと言っていた子が次の月には歴史学者の話を聞くと、今度は歴史もいいなって言い出す。それは刺激を受けてるわけですね。そのなかで自分が自分の道を見つけていく、ということだと思うんですよ。ですから、今目標が定まってないということはまだ目標を探し中なんだ。納得いくまで探したらどう?という見守りが必要だということが1つと、それから変わっても目くじら立てない。それは当たり前だ。興味関心が移ったのね、というくらいの視点で見ていってください。それから親が理解不能なことを目標にしてる子ってたくさんいますよね。でも、それも時代がどう転ぶか分からないですから、夢があって、その夢に向かって何かをやろうとしてるという、もしその状態であればそれはそれで褒める。あ、ここに向かって今日は頑張ってんのね。そこが大事ですね。つまり、漠然とダラダラ生活しているよりは何かがあって、そこに向かっているという方向を向いてればそれはそれですごいです。いいお子さんじゃないですか。そんなところでよろしいでしょうか。

保護者B:ありがとうございます。

宮坂:お願いします。はい、どうぞ。

保護者C:うちの息子なんですけど、一人っ子なんですね。将来の夢が一番最初はピカチュウから始まり、ピカチュウは絶対なれないんだよって思いながら、そういう夢を持っていたのが、そのうち消防士になりたいって。公務員安定しているということで、まあいいんじゃないのと思っていたんですけど、そのあとですね、やはり考古学者になりたいと思ったら、はたまた今度は全然違う心理学者になりたいって。学者が好きなのかなって思っていたら今度は巨大カジノを作りたいと。

宮坂:壮大ですね。

保護者C:そうなんです、そんな感じで夢は持っていて、その都度、今、寺田先生もおっしゃってたんですけども、その都度変わっていくんですね。進路先とかも、ここに行きたかった、あそこに行きたかったと言っていたのがどんどん、どんどん変わって、自分なりの将来像を考えながら進学とかも今回の大学をいろいろ調べたりはしてるんですけど。調べてるんですね。でも、一言も相談がないんです。勝手に決めてくるんです。

宮坂:お母さまに、ですか?

保護者C:はい。何の相談もなく、だいたい学費はこれぐらいかかるらしいという、そういう請求書みたいなものは持ってくる。お金は用意しとけよ、ということなのかなと思うんですけど、「どのへん狙ってるの?」と言っても、「いや、このへん」「いや、このへんてどのへん?」みたいな。「通える範囲」とか、そういう感じで全く話ができない。何か聞いても、もう私の声聞こえてないのかなと。この子耳悪くなっちゃったかなってぐらいに何にも聞こえないみたいで返事もないんですね。質問に対しても返事もない。最後はもう、なんかもうイライラしたような感じで聞こえるようなため息一つで終わっちゃうんですけど。息子は反抗期でイライラ、こっちは更年期でイライラみたいな、もうイライラ同士が重なっちゃって大変なことになっていて。それをもうね、うちの旦那はね、見ていてね、ああでもないこうでもないって「言うな、黙ってろ」とかって言ってね。

宮坂:さあ、じゃ、そしたらですね(笑)。今ご質問いただいたのはですね、何でしょう、お子さまが話を聞いてくれない、そんなイメージになりますかね。でも、お話聞いてると、ずいぶん能動的なお子さまのような感じの、ね。

保護者C:そうです、うちの家系みんな自由人なんですけど。常にもう自由なんですよ。だから気分がよければ話しかけてくるけれども、気が乗らなければ話もしない、聞こえない、見えない存在という。とてもかわいそうな何十年も息子に片思いしている母でございます。

宮坂:かしこまりました。相談員に聞いてみましょう。そしたらですね、今、片思い中のお母さまのお悩みでございます。多感な時期のお子さまに対してどのように接したらいいかと、このようなご相談ですがいかがですか。はい、ぜひお願いします。

堀端:神奈川県の教育委員会からまいりました堀端でございます。

宮坂:よろしくお願いします。

堀端:教育委員会としての発言ではなく、一保護者、子育てを一応終えておりますけれども、そういった観点でお話させていただきたいと思いま。やはり私の経験ということで話をさせていただきますけれども、私は2人子どもがおりますけれども、やはり2人とも非常に何やりたいかという話で相当悩みました。まず最初に文化系か理科系かも分からないと。国語も好きだけど算数も好きなんだよね、とか言われて。理科はどうなの?という話の中ではどっちもやりたいと。でもそういうふうに今なってないよねと。高校に行ったら文化系か理科系って決めんだよね、て話になってまして。今だいぶ緩やかになってきて、理科系でも文化系でもない大学という社会、ジャンルも出てきたと思いますけれども、そういった意味で非常に悩み続けてきたと。そんななかでやはりいろいろチャレンジをしてみたらどうかという話はしてきました。本人も本が好きだったりして、読書コンクールですとかね、そういったものにチャレンジしてみるとか。あと、絵も好きだって、絵画にいろいろチャレンジするとか音楽もやるとか、もういろんなことをやりだすんですけど、たいてい中途半端で終わるんですけれどもね。なかなか成就しないというのあるんですけれども、やはり親としてはいろんな情報をいろいろ提供してみる。なかなか反応は返ってこないんですけど、いや、こんなのがあるよ、こんなのがあるから行ってみようかとか、というような機会を設けるとか、そういったコミュニケーションはやはり我々からも与え続けるしかないのかなというのがあると思います。あまりまともな反応は返ってこないというのが現状であったかなと自分の経験として思いますので。本人たちはいろいろ悩んだ末、2人とも理科系に行ってしまいました。私も家内も、妻もですね、文系なんですけどもね。理科系に行ってしまいますと何やってるかさっぱり分かんなくなってしまったと。途中までいろんなことを教えましたけれども、理科系こんな計算やってんだ、うん、全然駄目。こっからの世界はもうあなた方の世界だから、ということにしましたけれども、やはりそれはそれなりに自分たち好きなところに行ってしまったのかなと。公務員は選択しませんでした。結果としてですね。公務員のおやじの姿を見てやめたんだと思いますけれども。こんなに苦労してしまってんのか、というとこあるかもしれませんけど。公務員のよさは分かっていると思いますけれども、やはりそれはそれなりに自分で選択してしまったのかなと。やはりコミュニケーションについては私も相当模索しましたけれども、やはり我々も与え続ける。で、向こうからの反応をやっぱり待つしかないというところはあるかと思います。はい、すいません、答えになっておりませんが。

宮坂:ありがとうございます。多感な時期なお子さまの対応はね、すごく多くの方がお悩みだと思うので、もう1人ぐらい伺いたいなと思うんですけど、どうでしょう。寺田さん、お願いします。

寺田:息子LOVEのお母さまには申し訳ないんですが、元少年の身としましてはですね。

宮坂:寺田さんのことですか? それは。

寺田:はい。

宮坂:そうですか、失礼しました。

寺田:数十年前なんですけどね。思い起こしてみましても、お母さんと一緒に歩くの、もう照れくさくて。話すのもちょっと。

保護者C:あれは照れなんですか?

宮坂:照れ、あります。僕が答えちゃった。すいません、失礼しました。

寺田:嫌いじゃないんですよ。で、心配してくれてるのは分かるんです。でも、それがちょっと子ども扱いされてるのかなという思いもあって、「うるさいなあ」って思うわけですよね。で、お金がかかるのも分かってるから、「はい、このぐらいかかる」というのは、これも「悪いな」って思ってるからなんですよ。だからついぶっきらぼうに言ってしまう、という少年の心をちょっと忖度(そんたく)していただいて、そこはご理解いただきたいなって。つまり、ただ、本当にその年になって、「お母さん、お母さん、ちょっと聞いて、聞いて。このぐらい、僕、どの大学に行ったらいいかな。相談に乗って」。そっちのほうが気持ち悪いです。で、大学いろいろ行きたいところとか学問が違うのは当たり前です。皆さん、大学や高校で習った内容をそのまま社会で使ってるかっていうとそんなことないですよね。

全員が全員そういうわけではないじゃないですか。仕事も変わってる人もたくさんいます。これから、だって今ある仕事の半分はなくなるわけでしょ。どうなるか分かんないじゃないですか。だから、大学で何を勉強するかよりも大学で何をどんな力を付けるのかのほうがこれからは大事になりますから、あんまり学部のことについて深刻に考えるよりも入ってから子どもが生き生きと、それこそ入ってから力尽きずに頑張れるかどうかの視点で見てあげたらいいんじゃないかと思います。すいません。

宮坂:はい、ありがとうございます。いろいろな回答があります。どうぞ、お願いします。ぜひお願いします。

保護者D:すごい恥ずかしい家庭なんですけど。息子がもうちょっとで23になるんですけどね。先ほど先生たちのお話で夢を今模索中なんですよっておっしゃっていたんですけど。結局うちの息子は入りたい学校に入って大学2年の前期で退学させられたというか、大学時代に留年という制度がなくて、成績不振を3回取るとその時点で退学届けが送られてきたんですけどね。

宮坂:そうですか。

保護者D:はい。で、それで辞めちゃって。で、どうしてこういう結果になった?という話をしたときに、入ったらやりたいことと違ったって。で、じゃあ、次に何かやりたいことが見つかって学校変えたいっていうんだったら、それはそれでまた応援するけど、じゃ、ちょっと少し考えなさいと言ってずっと今フリーターなまんまなんですけど、いつまで待ったら夢が見つかるのかとか。さっき寺田先生の話で40歳まで思春期の人いませんよ、と言ったんですけど、ああ、どうしようと思ってるんですけど、どういう風に、待ってる間親として、私は先ほどの堀端先生ですかね、一応「こんな仕事って、あー、いいね」とか何かなんとなく言ってみたりもしてるんですけど、待ってる親はどう待っていればいいんですかね。

宮坂:ありがとうございます。今ちょっと追加でさらにあったようなのでお願いします。

保護者E:同感……というかですね、まずね、うち今子どもが3人いて、3番目の一番下の子が高校生なんですけども、上の2人は普通科。で、一番下の子はね、珍しくやりたいことが決まってて、専門の学校に入った。でも、やっぱりいざ行って入ってみると授業内容が思ったのと違うなということを言い出して、また学校がつまんなくなってきちゃったりとか、少し遅刻したりが多くなってきたりとかね。今なんとか部活でなんとかしのいでるというか、そんな感じなんですけども、ちょっと元気がないというところがあって。先ほどのお話で目標が決まってない子が多いんだというところで、決まってても、いざどうなんだ、ということもあるのかなということをお願いしたいと思います。

宮坂:ありがとうございます。やりたいことがあって行ったつもりだったんだけれども、実際やれることがやれてないとか、夢とか目標がなくなっちゃったと、そういうまとめ方は強引ですけど、よろしゅうございますか。

保護者E:<聞き取り不能>

宮坂:ありがとうございます。そういうようなイメージ。ありがとうございます。大木さん、お願いします。

大木:実は大石実行委員長から某法律事務所というテレビ番組のように進めてくれと言われていますので、ちょっとここから砕けた感じでちょっとお話させていただいて。

宮坂:主催者からの。よろしくお願いします(笑)。

大木:話が飛躍しちゃうかもしれないんですけども、まず、僕がちょっと分からないのは皆さんがその夢、夢と言われていること、子ども達に求めている夢ってさっきから聞くと仕事、目的が仕事みたいですね。ここに集まられている方、皆さん仕事されてる方がほとんどだと思うんですけど。今仕事が夢な人いらっしゃいますか? 素晴らしい。素晴らしいですね。なかなかいらっしゃらないと思うんです。ということは、僕もそうですね。僕も仕事は夢ではなくて、夢を果たすための手段だと思ってるんです。で、それをこなしていくうちに、その仕事が夢の1つになってくることがあると思うんですけど。子どもに対して目の前の受験、高校受験が夢。ここの高校に入るのが夢。次にあそこの大学に入るのが夢ってやっていくと、いつまでたってもうまくいった、うまくいかないで左右されるんですけど、自分の目標は仕事以外じゃなくて、どう生きたいか。

たぶんこれ、国民性だと思うんですけど。たぶんもう研究されている先生方はもちろんお分かりだと思うんですけど、これ、日本独特なんですよ。子どもにアンケート聞くと、プロ野球選手になりたい、お医者さんになりたい、公務員になりたい。海外で質問すると全く職業出てきませんから。これ、たぶん普通に私たちはたぶん常識だと思ってんですけど。お母さんたちもこういう……僕一銭ももらってませんけれども、あとでこれで参加される方が増えたら社長に交渉しますけど、東京個別指導学院さんのさっきのプログラム、すごく素晴らしくて。僕らも経営者なんですけど、経営者のセミナーだったりいろんな経済セミナーでも当たり前のように一般論で表されてることなので、ぜひ学んでいただいて、そうすると子どもに対する考え方とか夢の持ち方とかそういうとこにフィードバックされるし。まず、仕事が夢になってない人たちも今頑張ってるじゃないですか。何のために頑張ってるの。またそこに対してたぶん夢って仕事の先にあるものだと思うので、ぜひそれを親も探す。今我々の世代で夢が無い人ってたぶんいっぱいいて、僕もこんな話してますけど、途方にくれてた時期がいっぱいあって。でも、やっぱり夢持たないとポジティブになれないし。やっぱり夢持ってそれにチャレンジし続ける、失敗し続けるけどチャレンジし続ける。その結果チャレンジしなかったときよりはよくなってる。その繰り返し。そういうことだと思うので、やっぱりそういうことを一緒にやってあげるのが一番いいと思います。わけ分かんないから自由にしていいのよ、というのは、これ自由じゃなくて見放しているというか、冷たい言い方をすればね。無関心になりかねないので、一緒にお母さん、お父さんも一緒にこの年だけど頑張ってんだよ、というスタイルを見せてあげるのが一番早いんじゃないかなと。あとはセミナーを一緒に受けていただいて成果を上げていただければなと思います。

宮坂:ありがとうございます。すごく新しい気付きをいただいた気がしますね。仕事の先に夢がある。夢をかなえるための手段としての仕事があるという、そういうようなイメージでしょうかね。

大木:そうですね。学習能力を上げたときなんかはうちがよく言うんですけど、テストがあるじゃないですか。日本ってカンニングしちゃいけないじゃないですか、もちろん。海外、アメリカとかだとカンニングしていいの知ってます? カンニングと言ったらおおへいかな。スマホで答えを探していいんですよ。グーグルで探そうが何しようが。探す手段を知ってることのほうが才能があるんです。だから僕も答えが分かんないってなると、分かっている人いるんでしょ?って。その人に聞いたら早いじゃん。こういうふうになりたいって言ってんでしょ? 親に聞かないで、その人を探しに行きなよ、というアドバイスはしますけど、親が何でも知ってるようになっちゃうのが一番怖いかなと思います。そういう風にアドバイスしてあげたら僕はいいと思います。

宮坂:ありがとうございます。いろいろなアドバイスいただけましたね。お悩み尽きないんですけど、そろそろですね、お時間になってきてまして。早いんですよ、早いんです。申し訳ございません、早いんです。最後にあと1つ、お願いできたらと思いますが、いかがでしょうか。

保護者F:いいですか。

宮坂:はい、お願いします。

保護者F:よろしくお願いします。

宮坂:お願いします。

保護者F:やっぱり高校生のお子さんを持つママ友とよくこういう話はこんな感じでしょっちゅうするんですけれども、やっぱり高校生だと大学受験っていうことをみんな共通で悩んでいて、大学受験の話はよく出るんですけども、いろんな集団で話したときに結構いろんなお母さんが子どもが何したいか分からない。今までの話と全部共通するんですけども、なりたい自分、将来像とかが全く描けなくて。大学、学部も決められない。どこの大学に行きたいのか分かんない。もう、大学に行きたいかどうかすらよく分からないみたいな話をよく聞くんですね。で、今までの話を総合すると自己肯定力とかいろいろ……うん、それはとてもよく分かるし深いお話なんですけども、大学受験が目の前に迫って答えがそんなに先延ばしにできないときに親として、たぶん子どもはすごく苦しんでると思うんですけども、どんなアドバイスができるのか、あるいは黙って辛抱、親が見守るだけのほうがいいのか、そのへんを教えていただいたらうれしいです。

宮坂:はい、ありがとうございます。現実的なお悩みでいらっしゃいますね。理想は分かったと(笑)。目の前にもう受験があるんだと。どうしたらいいと。こういう生々しいご質問でございます。いかがでしようか。僕は答える立場にないので楽です。いかがでしょうか。

石川:「お前、行け」という今空気を感じたんで。非常に難しいご質問だと思うんですけれども。まず、先ほどおっしゃっていたようにたぶん日本固有なんですよね。いったん学部を決めてしまったら、それにひも付いて就職する会社も決まってしまうかもしれなくって、というふうにガチガチに考えているので、めちゃくちゃ間違えちゃいけない選択を今17歳、18歳でしなきゃいけないっていうふうに思ってしまうのが、まず別にそんなことないですよって。日本の社会でも別にそんなことないですよ、ということは思っておいていいと思います。僕の同級生でも大学に入ってから転校した人もいますし、転部した人もいます。そこではフレキシブルに動けるということはあるわけですし、ある1つの学部に行ったからこの職業にしか就けないということは、例えば医学部でお医者さんというのはありますけど、そうでもなければそれほど学部と職業が強くひも付いているわけではないので、そこはそんなに深刻に考えられなくてもいいかなって思いました。

 先ほど理想論としてその自己肯定感が大事だというのは分かった、ということなんですけど、先ほど日替わりで夢が変わるって話あったじゃないですか。あれ、すごくいいんです、夢が持ててるから。たぶんこのなかの何割かの保護者さんは、いや、日替わりどころか全く夢が持ててないんだよというほうが深刻だと思っていて。そういう場合に自己効力感はやっぱり理想ではあるけれども、とても大事だということはもう一度申し上げておきたいと思います。人間はやはりできると思うことしかやろうと思いません。皆さん、今から100メートルを9秒台で走ろうとか夢持たないですよね。それはなんで夢持たないかといったらたぶんできないだろうと思うからですね。だからやっぱりできると思う、これは思い込みでもいいからそう思えるようになるというのはとても大事。先ほど寺田さんが言ってた話は別に僕達で話し合って勝手に決めたわけじゃなくて、バンデューラ(Bandura)という偉いアメリカの心理学協会の会長という人がその自己効力感とかっていうのを言い出したわけで、もう何十年も前の話です。そのあとたくさん研究があって、どうやったら自己効力感が育まれるかということについては小さな成功体験を積むということ、本人が。周りの身近な人が「君ならできるよ」というふうに励ますということ。3点目は先ほどおっしゃっていたようにすいすいやって見せるという人が周りにいるということ。「あ、あんな風にできるんだ」というように思わせるということですね。この3つはやはり今日持って帰っていただいて何かご家庭でできることからやっていただけると、お子さんもいつの間にか「僕にもできるかも」、「私にもできるかも」って思い始めて、やりたいことが見つかりやすくなるかもしれないと思いました。

宮坂:ありがとうございます。非常に具体的なお話でしたね。ありがとうございました。まだまだ続けたいところではあるんですが、時間がまいりました。最後に寺田さん、お子さまと向き合う上で、多感な時期と言えばいいですかね、お子さまと向き合うなかでポイントを教えてください。

寺田:はい。子ども自身がまず苦しんでるんですね。今の保護者の方が若い頃よりも世の中先が見えづらいがゆえに先が読めないから返って不安なわけですよ。その立場というのはまず理解してあげましょう、ということが1点。

 繰り返しになりますが、自己肯定感、自己効力感は大事です。お話をお聞きしてると、やはりお父さま、お母さま、子どもを愛するがゆえなんですが、失敗したらどうしようっていう気持ちがすごい強いわけですよ。だから大学に行かなくなっちゃったらどうしようとか、高校の学習内容がアンマッチだからどうしようとか。いや、失敗することもあるよね。だけれど、あなたのこと好きよ。でも、急いでるから、もしかしたら学校変わった場合経済的には苦しくなっちゃうかもしれないね。でも、応援するよ、ということは持ち続けていただきたい。つまり、ありがとうという自己肯定感。それからやればできるんだよという自己効力感。これは忘れずに言っていただきたい。ぜひ、皆さんならできるので、1回褒めてみてください。「ありがとう」って言ってみてください。よろしくお願いします。

宮坂:はい、寺田さん、ありがとうございました。(拍手)ありがとうございます。第2部での取り組みが皆さまにとって少しでもお持ち帰りいただけるものがあれば幸いでございます。改めて本日相談持って来ていただいて、ありがとうございます。また、相談員の皆さま、本当にありがとうございました。ご静聴いただきました皆さま、誠にありがとうございました。これにて第2部を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)

田中:はい。コーディネーターの宮坂さま、そしてパネリストの皆さま、保護者代表の皆さま、本当にありがとうございました。もう一度大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございます。(拍手)それではご降壇ください。

 いかがたったでしょうか。お悩みは尽きぬ。まだまだお話したい方達がたくさんいたんだと思います。代表で8人の方に上がっていただきました。身近にやっぱり相談できるところがあるというのがすごく大事なのかなと思いましたし、その一助になるのがもしかしたらPTAなのではないかなというようにも感じました。是非、皆さんのなかでも「あ、そうだな」とかあったら、代表でいらしてると思いますので、地元に帰って皆さんでお悩み共有していただいて、「あー、あるある」とか、そういうことでも助かると思いますので、是非。そしてプロのアドバイスがほしい場合は学校、もしくは東京個別指導学院にご相談してもいいのかなとちょっと思いました。

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